切られお富!

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<訃報> 映画監督 ジュールズ・ダッシン

2008-04-04 00:52:08 | アメリカの夜(映画日記)
「きっこのブログ」のきっこさんが、『日曜日はダメよ』っていう、メリナ・メルクーリ主演のギリシア映画を紹介したことで、ちょっとネット界でも再注目になった(?)映画監督ジュールズ・ダッシン。お亡くなりになったそうですね。ご冥福をお祈りいたします。

「日曜はダメよ」のジュールス・ダッシン監督死去。96歳 - goo 映画

わたしはきっこさんが『日曜日はダメよ』を取り上げた記事を読んで、「きっこさん、映画の趣味も意外と渋いなあ~」なんて感心しつつ、闘う女メリナ・メルクーリへの彼女のシンパシーを、「らしいなあ~」とも思いました。

・きっこさんの記事

まあ、この辺の話は、きっこさんの記事を読んでもらった方がいいんだけど、ついでだからギリシア映画についてひとことだけ…。

わたしが実際にギリシアを旅した感じでいうと、世界的に有名なテオ・アンゲロプロス監督作品は雰囲気的にギリシア(映画)としては例外っぽい感じがします。(ギリシアなのに曇り空ばっかりの画だしね。)

だいたい、他のギリシア映画って、楽天性と閉鎖性の同居した印象があって、ギリシアにおける女性の地位について考えさせられる作品が『日曜日はダメよ』以外にもあったりするんですよね。(たとえば、『その男、ゾルバ』とか。)

要するに、多くの島から成り立っているギリシアならではの因習みたいなものが、女性を縛ってきたってことで、イメージでいうと横溝正史の『獄門島』みたいな雰囲気が『その男、ゾルバ』の一部にもあったりします。

こういうことって、マリア・カラスが最初に金持ちと結婚して自由を得たみたいなこととも関係あるんでしょうけれど、どうなのかな?

さて、話題を変えて、『日曜日はダメよ』については多くの人が書くでしょうから、わたしは別の作品について書きましょうか。

従来、ジュールズ・ダッシン監督作で有名だった作品のひとつにニューヨークでオールロケーションを敢行した『裸の町』っていうのがあるんですよね。

今でこそ、ニューヨーク・ロケなんて珍しくもないんだろうけど、カメラの軽量化がされる以前の1940年代後半で、これは果敢な挑戦だったと思います。

特筆すべきは、この映画のカメラマンがウィリアム・ダニエルズという、グレタ・ガルボ専属カメラマンといわれたひとだったということ。

ガルボのえらの張った顔をソフトに見せた人工的ライティングの名手が、現実のニューヨークの町を被写体に、カメラを廻した!

どんな画面になったのかは、実際に作品をご覧ください!

ところで、ギリシアって、晩年を過ごすには穏やかな感じでいいところかもしれないなあ~。

もっとも、わたしが行ったときには大規模なデモ行進があって、空港行きのバスが遅れたりもしましたけれど…。(後で聞いたら、政治に関する議論が好きな国民性なんだとか。)

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