切られお富!

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<訃報> 俳優 船越英二

2007-03-20 23:59:59 | アメリカの夜(映画日記)
先日、高松英郎の訃報記事を書いたと思ったら、今度は船越英二ですか…。古きよき時代の大映東京撮影所の俳優がいなくなっていきますね~。ご冥福をお祈りいたします。

最近は息子の方が知名度があるのかもしれませんが、大映の現代モノ映画といえば、必ずこのひとがでているという印象さえありましたね。

大映の現代モノの特徴は、独特の人間臭さだったと思うんですが、船越英二も一癖ありそうな役というのが多かった。

訃報に関連して市川崑の『野火』の映像が結構流れていたんだけど、船越英二出演作で市川崑監督作品なら、『黒い十人の女』、『私は二歳』、そしてまたかといわれそうだけど(笑)、オムニバス映画『女経』のなかの一編「物を高く売りつける女」に止めを刺すんじゃないでしょうか?

特に、「物を高く売りつける女」はサスペンス仕立てで、市川崑の最高傑作だとわたしは前から主張しているんだけど、船越英二と山本富士子のやり取りがよかったなあ~。(くしくも、『私は二歳』の夫婦役とおんなじキャスティング。)

<以前書いた記事ふたつ>
・賞という名の墓標、市川崑の場合。
・「犬神家の一族」市川監督&石坂で復活

そして、先日の高松英郎の記事でも書いた「黒の~シリーズ」でも、ゆすられ役としていい芝居をしてました。

これだけの経験を持つひとゆえに、息子の芝居には辛い点をつけていたんだろうけど、テレビ主体になって以降の好々爺のイメージしかない人には、映画時代の様々な役をこなしていた顔は想像しにくいのかもしれないですね。

さて、大映京都関係の本は雷蔵・勝新や技術者関連で幾つか出ているものの、大映東京撮影所関連は増村保造のものくらいではないでしょうか?

このあたりで、大映東京撮影所についての本が出て欲しい気がします。いかがでしょうか、角川書店さん?

船越英二さん 84歳誕生日に旅立ち(スポーツニッポン) - goo ニュース

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