切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

歌舞伎が無形文化遺産に!

2005-11-27 04:49:04 | かぶき讃(トピックス)
これまた金曜日の、from<歌舞伎座>to<新橋演舞場>観劇DAYに知ったニュース。もちろん、寿ぐべき事柄なんだけど、能楽や文楽との違いは、松竹という私企業が担っている伝統文化だってことなんですよね。(前進座もあるとはいえ。)

言い換えれば、商業演劇だからこそカギ括弧付きの「伝統文化」にならずに、ここまでこれたというか・・・。

確か三島由紀夫がいっていた言葉だと思うんだけど、「能は古典主義のエッセンスそのものなんだけど、歌舞伎はそういう意味では古典芸能ではない」という言い方があって、わたし流に解釈すれば、能は時代がどうあれ演じ方が変わるということはないんだろうけど、歌舞伎の場合は時代のニーズ、観客の嗜好で演じ方が変わり、不変の法則というものを持たないという意味だと思う。

このあたりの柔軟性が、江戸歌舞伎から明治以降の心理主義を取り入れた歌舞伎とのスタイル上の変遷と関わるのだろう。

ただ、商業主義という変化に揉まれていく状態と伝統保存の狭間って今後どうなっていくのか?正直なところ、金曜日に観た幸四郎の「文七元結」と菊五郎劇団の「児雷也豪傑譚話」からは、わたしは伝統文化の残骸のようなものしか感じられず、世界に喧伝すべき「無形文化遺産」という印象は持てなかった。平たくいえば、このふたつに関しては、外国人観光客は「無形文化遺産」だと思って見ないでくださいって意味。

むしろ、吉右衛門が浄瑠璃「嬢景清八嶋日記」を基にして書き下ろした新作「日向嶋景清」の方に、伝統と現代の調和の可能性をちょっと感じたんだけど、こっちの客受けはいまいちのようだし・・・。

まあ、結論は出ないんだけど、せめていいたいのは、「無形文化遺産」なんだからいい大人の観客は携帯なんか鳴らさないでねってことかな?(特に、伝統文化なんか興味がないくせにお義理で観に来ているスーツを着たおっさん、あんたのことだよ!!)

歌舞伎がユネスコの無形文化遺産に (朝日新聞) - goo ニュース
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