切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

本日、国立劇場大劇場で、「四谷怪談」観てました。

2015-12-06 23:59:59 | 私の写メ日記(観劇版)
幸四郎・染五郎親子の「四谷怪談」。染五郎他若手の奮闘が光りましたが、簡単な感想のみ。

四谷怪談が忠臣蔵と関係深いって話は、知ってる人は知ってるし、知らない人は知らないってくらいだけど、本当のところの認知度ってどれくらいなんでしょうかね?映画でも、先代猿之助の舞台でも「四谷怪談忠臣蔵」っていうのがあったことだし、歌舞伎に通うくらいの人には自明なんじゃないかと、個人的には思うんですけどね~。

で、舞台。最初、すっぽんから鶴屋南北に扮した染五郎が登場するなど、ビギナーフレンドリーな舞台でしたが、考えてみれば四谷怪談を書いた頃の南北は御年70歳で、染五郎は老けメイクでもよかったかなとは思いました。

ちなみに南北が「四谷怪談」の次に初演したのがわたしの大好きな「盟三五大切」。今の70代でも、これだけ濃い創作活動ってなかなかないですよね。ましてや、江戸時代の70歳代って、今だと何歳なんだという感じ。その段でいうのなら、今回の舞台には、老いてもエネルギッシュだった南北の脂ぎった感じはやや希薄で、変にスタイリッシュだったかな~という印象はもちました。

染五郎のお岩はなかなかの熱演ながら、普段女形じゃない人だけに、色気と母性にやや欠ける。どちらかというと、小仏小平の方がよかったんじゃないですかね。

幸四郎の伊右衛門は、チラシの横顔が素晴らしかったんで、大いに期待したんですが、どうも台詞尻が爺クサくて、もっと若々しくやったらよいのにと思いました。色悪にしては老優風にしすぎなんじゃないかと。なので、米吉くんのお梅の可愛さと、どうもバランスが悪い。

今回大健闘だったのは、錦之助の小汐田又之丞。又之丞隠れ家の場は、コクーン歌舞伎の四谷怪談北番以来の上演だと思いますが、北番より若干原作に忠実なのでは!ただ、この場面は北番みたいに三角屋敷と対にするのが本来の形だとは思いましたが・・・。

ということで、まだまだ言いたいこと、たくさんあり!南北は今なお、観る人を刺激しますね~。とても考えさせてくれる舞台でした!

PS:小林恭二の本が小仏小平の重要性を語っていて、参考になります。

東海道四谷怪談 (岩波文庫 黄 213-1)
クリエーター情報なし
岩波書店


新釈四谷怪談 (集英社新書)
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集英社
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