わたしが芥川賞作家・絲山秋子に興味を持ったのは、たまたま彼女の公式HPを読んだのがきっかけ。そのなかで彼女は、好きなミュージシャンとしてパティ・スミスやXTCの名を出し、 キース・リチャーズの唄うストーンズナンバーのフェイバリットとして「ワナ・ホールド・ユー」を挙げているんだけど、もうこの段階で「この人、信用できる」と、わたしは思った。たとえ思想信条が違ったって、音楽の趣味のいいひとにわけのわからないひとなど絶対にいない!!
・絲山秋子ウェブサイト
このサイトを読む限り、彼女は大変な読書家で、好きな作家に、ル・クレジオ、石川淳、ヘンリー・ミラー、セリーヌを挙げているわけだけど、実際に作品を読んでみると、これらの作家の表現主義的な文章とはまったく違う平易な中間小説風のスタイルで、なにやら意外な印象を受ける。あえていうなら、井伏鱒二なんかの線に近い感じがするんだけど、このあたりに、彼女の教養というものに対するスタンスが隠されているのかもしれない。
この『袋小路の男』という作品では、元・文化系帰宅部崩れのフリーター男(自称作家)とその高校時代の後輩で、冴えない感じの中年女性のプラトニックな関係が描かれているのだけど、こういう男女関係(?)ってあるよなあって、文化系帰宅部崩れのわたしもついつい思った。
芥川賞受賞作の『沖で待つ』も、会社の同期の男女の友情を描いたものだし、何か美男美女の男女関係とか、恋愛至上主義とは一線を画する男女ってものに関心のベクトルがあるのかもしれない。
「バブル期入社組の働く女性が主人公」という切り口でばかり語られてしまいそうなこの作者だけど、どうも一筋縄ではいかないセンスを内に秘めているのでは?とわたしは睨んでいるのですが…。
そんなわけで、手放しでは誉めないけど、気になる作家ということで、しばらく注目しています。
なお、全然関係ないけど、わたしの好きなストーンズの曲はコチラ!
・絲山秋子ウェブサイト
このサイトを読む限り、彼女は大変な読書家で、好きな作家に、ル・クレジオ、石川淳、ヘンリー・ミラー、セリーヌを挙げているわけだけど、実際に作品を読んでみると、これらの作家の表現主義的な文章とはまったく違う平易な中間小説風のスタイルで、なにやら意外な印象を受ける。あえていうなら、井伏鱒二なんかの線に近い感じがするんだけど、このあたりに、彼女の教養というものに対するスタンスが隠されているのかもしれない。
この『袋小路の男』という作品では、元・文化系帰宅部崩れのフリーター男(自称作家)とその高校時代の後輩で、冴えない感じの中年女性のプラトニックな関係が描かれているのだけど、こういう男女関係(?)ってあるよなあって、文化系帰宅部崩れのわたしもついつい思った。
芥川賞受賞作の『沖で待つ』も、会社の同期の男女の友情を描いたものだし、何か美男美女の男女関係とか、恋愛至上主義とは一線を画する男女ってものに関心のベクトルがあるのかもしれない。
「バブル期入社組の働く女性が主人公」という切り口でばかり語られてしまいそうなこの作者だけど、どうも一筋縄ではいかないセンスを内に秘めているのでは?とわたしは睨んでいるのですが…。
そんなわけで、手放しでは誉めないけど、気になる作家ということで、しばらく注目しています。
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袋小路の男講談社このアイテムの詳細を見る |
沖で待つ文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
TBさせていただきました。