VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

江副さん、不動産不況を語る

2008年09月26日 | 住宅業界
「不動産は値下がりする!」の著者として、日本不動産ジャーナリスト会議の講師に
元リクルートの社長、創業者である江副浩正氏をお迎えした。(代表幹事の阿部さんから紹介)

既に72歳になられた江副さん、2年前に私の代のリクルート同期会に顔を出された時以来にお会いしたが
今回は少し足元がゆっくりになられているように思えた。
 
しかし、お話が佳境になり質疑応答となると、昔の江副さんが戻ってきた。頭に入っている数字が次々と飛び出してくる。

首都圏のマンション市場について、4.5万戸/年が適正供給なのに8万戸ペースが10年続き、間違いなく供給過剰と。
それは税制や規制緩和による賜物で、タワーマンションが乱立した理由。現在は相当数、売り止めになった用地があるようだ。

オフィスの方も今後、建替えによる超高層化で23区内は2.5倍の床面積になるが、テナント需要は無いと(海外拠点は増えるが)。
REITのプロパティマネージメントが立ち行かない現状がある。

「この不況は10年以上続き、バブル後より厳しい期間となる」と。
この国の赤字はインフレで解決しるしか無いだろうが、消費税で解決できる方が良いとも。

今後、東京の不動産は「地位(じぐらい)とアメニティ」で格差が出るという説明に
アメニティとは、行きつけの飲み屋などの日常的なものと。金持ちも、そんな所に街の価値を感じるのだ・・・

現在は年金を月35万円もらっているという事で「大学卒の初任給より高いのは、おかしいような申し訳ないような」と
江副さんらしい感性で、笑いを誘った。
「ベッピンさんやね!」と江副節。

20年近く前、リクルート事件のまだ公判前だったか、冬の安比で偶然お会いした時
安比ホテルの江副さん特別部屋に友人と招いてもらって、色んなお話をして過ごした事を懐かしい思い出だ。