境界駅とは異なるエリア間の境界となる鉄道の駅のこと。
松本から糸魚川までを結ぶ大糸線は松本~南小谷間の70kmがJR東日本、南小谷~糸魚川35kmがJR西日本が運行している。
そのため「南小谷駅」は境界駅になっている。
関東地方に住んでいるとJR東日本は馴染みがあるが、他の路線はなかなか乗る機会がない。
多分JR西日本管轄の駅では一番近のではないのかと思う。
そこで、JR西日本が運行する部分の大糸線に乗ってみたくて糸魚川から南小谷まで行くことにした。
電車ももちろんのこと、南小谷には小谷温泉があるので、そこも目的となった。
小谷温泉は百名山のひとつである雨飾山の麓にあり、古くから湯治場として利用されていた温泉で、武田信玄の隠し湯として伝えられている。
糸魚川から乗った電車はたった1両のディーゼルカーだった。
山岳鉄道のような感じで、ずっとヒスイで有名な姫川沿いを走っていたので、渓谷美を楽しんだり迫ってくる山を見たりしながら1時間ほどの時間を飽きることなく過ごせた。
[南小谷駅]
この先松本まではJR東日本管轄で電化されている。
小谷温泉に行くために駅前から村営のバスに乗った。
最初は誰も乗っていなく、途中から1人乗ってきただけで、終点の「小谷温泉山田旅館前」まで40分間、ずっと人っ子一人いない道路を走った。
山田旅館は思っていたよりも大きな宿で、3階建てとなっており、歴史を感じさせられるような建物だった。
源泉を2つ持つこの宿だが、立ち寄り湯は本館にある「元湯」の方のお風呂にだけ入ることができた。
元湯は本館の中央にあり、浴槽は100年以上変わっていないという。
茶色く、セピア色になったお風呂全体と床のタイルなどが歴史を感じさせられた。
浴槽の脇にはちょうど人が立てる位の幅で打たせ湯があり、お湯が勢いよく上から落ちていた。
泉質はナトリウム炭酸水素塩泉(重曹泉)で自然湧出の源泉がそのまま浴槽から溢れ出していた。
冬場に訪れたため、外湯の展望風呂は閉鎖されていて入ることができなかったのが残念だった。