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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

リーアム・ニーソンばりのリベンジ映画だけど、テクノロジーに頼ることへの皮肉も込められた『ライダーズ・オブ・ジャスティス』

2022年03月01日 23時52分32秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:18/36
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】
アクション
ブラックコメディ

【原作・過去作、元になった出来事】
なし

【あらすじ】
妻が列車事故で亡くなったという報せを受け、
軍人のマークス(マッツ・ミケルセン)はアフガニスタンでの任務を離れ、
娘のもとへ帰国する。

悲しみに暮れる娘を前に、
無力感にさいなまれるマークスだったが、
彼のもとを2人の男が訪ねてくる。
その中の一人、
妻と同じ列車に乗っていたという
数学者のオットー(ニコライ・リー・コース)は、
事故は“ライダーズ・オブ・ジャスティス”と言う犯罪組織が、
殺人事件の重要な証人を暗殺するために、
周到に計画された事件だとマークスに告げる。

怒りに打ち震えるマークスは妻の無念を晴らすため、
オットーらの協力を得て復讐に身を投じてゆくが、
事態は思わぬ方向に…。

【感想】
パッと見は妻を殺された夫の復讐劇。
なんだけど、その裏に隠されたメッセージは、
現代の最新技術に対する皮肉と捉えると、
なかなか興味深い映画だった。

◆ほとばしるマッツ・ミケルセンの新しい魅力

いやー、マッツ、マッツだよ。
マッツ・ミケルセン。
洋画ファンからは特に絶大な人気を誇る彼。
マーベルやハリポタ、007でヴィランを演じたかと思えば、
『アナザーラウンド』(2020)でただの酔っ払いもやっちゃう
役の幅の広さ!

今回は妻を殺された復讐に駆られるリベンジ男という設定。
こういう荒ぶるおじさんは、
リーアム・ニーソンの十八番かと思ってたけど、
マッツもやってくれたね。
これまでのスマートだったり
ファンタジーだったりしてた悪役とは異なり、
兵士というフィジカルで男臭い役どころ。
んでもって、ボウズ頭にサンタクロースのような髭という、
見た目的にも印象に残るのがツボ!

◆数字や技術に頼りすぎると思わぬ落とし穴が

今回、交通事故で妻を亡くしたマークスだけど、
「実は交通事故ではなく、仕組まれた暗殺事件だったのでは?」
と疑ったのがオットー。
そのことをマッツに伝えるや否や復讐心丸出しで、
悪の組織を皆殺しにしようと決意。

ここで面白い理論があって。
職業と問題解決方法はリンクしているというもの。
ヨガ講師は瞑想、アスリートは競争。
では兵士は、、、?
暴力。
オットーとその仲間たちが、
自身の研究に基づく確率論や、
顔認証システムのハッキングなどにより、
怪しい人物を見つけては殴り込みをかけていく。

ところが、ここでまさかの展開が待ち受けているんだよ。
ネタバレになっちゃうから書けないんだけど、
“あるミス”が起きる。
簡単に言ってしまうと、
数字やテクノロジーに頼った結果、
知らず知らずのうちに、
人間の認知機能にバイアスがかかるというもの。

ビジネスマンも日々数字と格闘しているとは思うけど、
結局、数字って事実でしかなくて、
それをどう判断するかは人間だからね。
人は信じたいものしか信じないってよく言うけど、
正しい意思決定を心がけたいなと強く思える内容だった。

◆わかる人にはわかるブラックジョーク

昨年、ネトフリで公開された
『ドント・ルック・アップ』(2021)と同様、
基本はシリアス路線なんだけど、
ちょいちょいブラックジョークがあるのも本作の魅力。
とはいえ、ここは日本人だとわかる人は多くはないかも、、、?
僕もなんとなく笑うところだろうなとはわかっても、
感覚として笑うことはできなかった(笑)

◆そんなわけで

復讐に燃えるマークスだけど、
年頃の娘との接し方に悩む父としての姿も描かれていて、
彼のいろんな顔が見れるのも面白い。

ちなみに、本作が公開されたのは海外では2020年で、
『アナザーラウンド』と同じ年。
自身の出演作が同じ年にダブルで公開されるとは、
マッツの勢いは留まることを知らない。

 

金持ちのジャングルクルーズだった『ナイル殺人事件』

2022年03月01日 21時51分13秒 | 映画

【個人的な評価】
2022年日本公開映画で面白かった順位:20/35
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【ジャンル】
ミステリー

【原作・過去作、元になった出来事】
・小説
 アガサ・クリスティー『ナイルに死す』(1937)

・映画
 『ナイル殺人事件』(1978)

【あらすじ】
大富豪の美しき娘の新婚旅行中に、
クルーズ船内で起きた連続殺人事件。
容疑者は、結婚を祝うために集まった乗客全員…。
豪華客船という密室で、
誰が何のために殺したのか?
そして、ポアロ(ケネス・ブラナー)の人生を大きく変えた
≪衝撃の真相≫とは?
愛と嫉妬と欲望が複雑に絡み合う、
禁断のトライアングル・ミステリーの幕が開く。

【感想】
結末を知りたくないので、
原作小説および1978年の映画には触れず。
オーソドックスなミステリー映画という感じだけど、
推理モノが好きな人なら楽しめるんじゃないかなと。

◆前半はジャングルクルーズ、後半から名探偵

エジプトのナイル川を舞台にした本作。
でも、殺人事件は1時間経たないと起こらない。
じゃあその間何をしているかというと、
優雅なエジプト旅行(笑)

その風景がすごくよかった。
ほとんどCGなんだろうけど、
広大なナイル川とどこまでも続く砂漠。
巨大なピラミッドにロマンあふれる古代遺跡。
もはや金持ちのジャングルクルーズみたいな感じで、
ミステリー映画であることを忘れるほど(笑)

1時間経ってようやく人が死んだところで、
推理開始。
つっても、もう残り1時間しかないからね。
けっこうなスピード勝負で、
テンポはよかった。

◆煽りに煽るポアロ

時代背景もだいぶ昔な上に、
川に浮かぶ船内という限定されたシチュエーション。
現代のように、
科学技術を用いての捜査などできやしない。
なので、現場に残されたヒントから
徐々に真相を解き明かしていくやり方は使えない。

だから、ポアロは全員に対して
「おまえが殺したんだろう」
と言わんばかりの決めつけで煽る煽る。
疑うのが仕事とはいえ、
自分の想像だけで物事を言い、
相手がボロを出すのを待つような手法だった。

持っている知識と勘を総動員して、
犯人を探し当てるスリルはあるものの、
ほぼ決め打ちで進めている感じがして、
総じて「まあそうだよね」って思う内容だったかな(笑)

◆そんなわけで

推理よりもエジプトの風景に心奪われた本作。
ミステリー映画なのに、
褒めるところがCG全開の風景ってのもアレだけど(笑)
なので個人的には、
前作の『オリエント急行殺人事件』(2017)の方が、
ミステリー映画としては楽しめたかなー。
ただ、ポアロが口ひげを生やしている理由がわかったのは
ちょっとした収穫かも。

あと、スーパーヒーロー映画好きとしては、
『ワンダーウーマン』シリーズのワンダーウーマン(ガル・ガドット)と
『ブラック・パンサー』(2018)のシュリ(レティーシャ・ライト)、
『キャプテン・マーベル』(2019)マー・ベル(アネット・ベニング)
が共演してたのは面白かった。