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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

久能の素朴な疑問やつらつら述べる自分の考えが痛快だった『ミステリと言う勿れ』

2022年03月29日 00時51分26秒 | ドラマ
【個人的な評価】
2022年冬ドラマで面白かった順位:1/9👑
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★★
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★★☆

【ジャンル】
ミステリー
推理

【原作・過去作、元になった出来事】
・漫画
 田村由美『ミステリと言う勿れ』(2016-)

【あらすじ】
秋も深まるとある日、
自宅で大好物のカレー作りをしている
大学生・久能整(菅田将暉)の元に刑事がやってきた。
近所の公園で殺人事件があり、
遺体で発見されたのは整の大学の同級生だという。
どうやら警察は整に疑いの目を向けているようで、
任意同行を求められてしまう。

取り調べ室で事情聴取が行われるが、
話が脱線しがちな上、
警察の矛盾点をズバズバと突いてくる、
一筋縄ではいかない整に刑事たちは振り回される。

しかし、そんな彼の推理のおかげで事件は解決。
ようやく解放される久能。

が、話はここで終わらない。
その手腕を見込まれた久能は、
事件があるたびに刑事たちから協力を要請されるハメに…。

【感想】
まだ全部のドラマ終わってないけど、
今季一番面白いのはこれだった。
月9枠で一番面白いって、
『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016)以来かも。

◆久能整のキャラクターがピカイチすぎた

ただのミステリードラマではあるんだけど、
久能のキャラクターがひたすらよかったよねえ。
持ち前の知識と鋭い観察眼で、
他人の矛盾をズバズバ突きまくる。
さらに、彼の持論や素朴な疑問も面白い。
殺人やいじめなどについて
つらつら話すエピソードがあったけれど、
正論でありながらも、
誰かを傷つけることなく、
「なるほど、確かに」
と思わせるところが好感持てた。

あと、「なぜ"闘病"と言うのか」、
「なぜバージンロードは父親と歩くのか」など、
言われてみればなんでだろう?
と思うような疑問についても、
彼なりのしかも納得できる意見が聞けるのは興味深かった。

◆ライカが切ない

第5話から登場したライカ(門脇麦)。
基本1話完結型の話の中で、
準レギュラーみたいな扱いだったから、
印象に残っている人も多いのでは。
彼女の出生の秘密は、
虐待の末に生まれた別人格という悲しい背景があるけれど、
久能との関係は切なかったな。
ミステリードラマなのに、
ここだけメッチャ純愛で。
今まで人を好きになったことがない久能が、
初めて気になる人だったのに。。。
しかも、死別でもなければ、
行方不明でもない、
姿形は残るのに人格だけなくなってしまうという
やるせなすぎる設定。

あと、彼女とのエピソードですごいのは、
コミュニケーションの取り方。
『自省録』という本の中にある文字を、
数字暗号にして伝えるんだけど、
あんなに早口で言われてるのに、
すべて拾いきれる久能の耳と記憶力のよさよ。

◆光るラスト2話の存在感

このドラマで素晴らしいなと思ったのは、
話数の構成。
久能を主軸とした話は
第10話でライカとの別れでほぼ終わってたと思う。
そこで、残りの伏線を回収するために、
第11話では風呂光(伊藤沙莉)が、
第12話では我路(永山瑛太)がメインになって動いてて、
面白い展開だなと思った。

最近のドラマって、
よく「第一部、完」みたいなのが
第4話とか5話ぐらいであったりするけど、
そもそも一部と二部に分かれている感じがまったくしなくて。
今回のドラマのように、
登場人物やメインで動く人がガラッと変われば、
それだけで新鮮な気持ちになれるんだけど。

特に最終回で感心したのが、
その脚本力の高さ。
前半と後半で2つのエピソードが走ってるから、
いくら15分拡大とはいえ、
尺はかなり限られてるんだよ。
なのに、しっかり収めたからね。
前半の久能の新幹線のエピソードなんか、
時間も空間も限られている中で、
しっかりドラマとして成立させていたところが秀逸。
後半の我路のエピソードは、
寄木細工の工房でのやり取りが泣けた。。。

◆そんなわけで

なんか続きがありそうな予感はするけど、
とにかく面白いドラマだった。
久能のキャラクターに救われました。
BGMがクラシック音楽ばかりなのもよかった。