建御名方命に追討の命が下されたころには、
すでに、スサノオもおおなもち(大国主命)も
惨殺に処されていた。
天にも届く社をたてるということが、出雲明け渡しの交換条件だったという。
ーめくらましでしかないー
スサノオの諸国平定の中身といえば
たたら製鉄の功、治水灌漑と諸国の民の生活の礎になった物事ばかりである。
スサノオへの信頼はすでに、信奉の域にたっしていた。
ーアマテラスめが・・・-
なによりも、民衆の心を恐れたアマテラスは
スサノオをほうむったことを隠し通そうときめた。
また、スサノオという存在はアマテラスにとって、
一番、邪魔な存在でもあった。
殺さぬわけがない。
だが、殺したともれてはいけない。
だが、事実、アマテラスはスサノオを惨殺している。
ー夫をスサノオのかわりにしたてあげたのだー
ー社をたてるを交換条件?強奪でなくゆずられたといいのけ
社をたてる?-
笑い声さえもれそうである。
社をたてるのはまちがいなくたてるだろう。
だが、交換条件などではいっさいない。
アマテラスはスサノオのたたりをおそれ、
社に封じ込めたいだけなのだ。
天にも届く社。
いいかえれば、それほど、スサノオの怨念におそれをいだいているということになる。
「あっ」
天まで届く社を交換条件にだしたのはおおなもちにまちがいない。
それほど、むごく、スサノオを惨殺したのだから、
その怨念をしずめるに、天まで届くものにしなければおそろしいことになりますよとおおなもちは言下ににおわせたにちがいない。
そして、後世、
逆にその社の存在こそが、いかにスサノオをむごく死においやったかを語る。
おおなもちは、それをどこで、進言したのか、
使者の耳にまではいるというからには、
逆に、アマテラスが己の威勢を誇示しようとしたあげくとみえた。
天まで届く社をたてるだけの威勢があると顕示してみせられるうえ、
みためだけは、国をゆずった出雲の長に誠をつくす。
弱き民は畏れるか、
あるいは、でっちあげをうのみにする。
ーなにもかもを利用しつくすかー
日食に乗じて、己を神の位置にまで上らせ
次は人の心に誠を見せるふりをする。
いずれ・・弱き民は真実にきがついていても、
アマテラスの支配に準じるしかなくなる。
生活の基が、アマテラスの支配下にしかないのだから・・・。
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