澄明に言われた百日目の夜である。
海老名は祭壇の前までくると、やはり、戸惑いをあらわにする。
姫の懇願に負けてここまで来たのは来たのである。
が、
「姫様」
躊躇うような海老名の声が夜のしじまに響く。
「早う、悪童丸の陽根を、わらわの手に・・」
「なれど・・・」
「海老名、今宵を逃したら。
そもじも、あの折に言うたではないか、悪しきにはせぬと、
なによりも、悪童丸はわらわの弟、かなえのただ、一人のおのこ。
母の存念思いおこせば、せめても五体に戻してやらねばなるまいに」
「されど」
「えええい。早う、せや。わらわはこのひもろぎの中に入られぬのじゃ」
「悪童丸様にあれをお返しするだけで御座いますな?
誓って、前のように悪童丸様と馴れあそばしたり」
「判っておるではないか?わらわは三条時守の所に一月後には、嫁ぐ。
この身にまさかのことはない。わらわも時守様の子を孕んで生きる。
悪童丸もいずれ後、女鬼を娶りましょうに。
わらわ、一人子を得る幸いをえたくはない。
悪童丸の陽根をちぎりてわらわ、ひとり、子は孕めぬ」
「判りました」
海老名は謀れるとはつゆ思わずひもろぎの中に入りこむと
悪童丸の陽根に手をのばすと褒賞紙ごと掴み取り勢姫のもとに運んだ。
「嗚呼」
勢姫は、渡された悪童丸の陽根を胸にかき抱くと空に向かって叫んだ。
「悪童丸、いでや」
勢姫の声が、夜空に響くと、不穏な気配がたちこめた。
「やっ」
どうま声がすると、悪童丸の姿が勢姫の前に現われた。
「おう」
嬉しげな姫の嬌声が上がると、海老名はうろたえた。
「姫?姫?」
うろたえる海老名にちかづき、その胸に悪童丸が軽く拳を打つと海老名はそのまま地面に崩れ落ちた。
「嗚呼、悪童丸。今そなたにこれを返して進ぜ様」
胸にかき抱いていた陽根を手にもつと、
自ずから着物の裾を割り、岩を背に座り込むと岩にもたれかかった。
姫は両の足を左右に開くとかさかさに乾ききった陽根を
己の濡れそぼった秘所に押し当てるとぐいぐいとねじ込み始めた。
「おおおう」
姫のほとに潜り込む頃には、陽根は姫の精汁を吸い込んで
もとの生身のものに変っていた。
「悪童丸・・手をそえや」
姫のほとからはみ出した陽根を悪童丸がむずと掴むと
姫のほとの中で蠢めかし始めた。
「嗚呼・・よ・・い・・嗚呼・・嗚呼」
陽根が盛り上がると、こぶのようなものが膨れ上がり
それがほとの中に何度か波打つように突き動かされて行くと、
やがてほとの中から白く滑った物が溢れ出した。
と、陽根が萎み始めた。
それを見定めると、悪童丸は姫のほとから己の萎えた物を引き抜き、
己の体の先を無くした所へ宛がった。
すると、見る見るうちに肉が寄せ集められ、くるむ様に肉茎を包み込んだ。
「はああ!」
見事に悪童丸の物が己の一物と成変わると姫は立ち上がった。
悪童丸はにこりと笑うと闇の中に跳び退った。
悪童丸が飛び退るのを見送ると勢姫は
「すまぬかった」
倒れ付したままの海老名に声をかけると、老女の体を背負った。
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