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憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

小枝・・23

2022-12-11 09:55:45 | 小枝

「八たびになります」
と、即座に答えをかえしてくる、
小枝は文治との逢瀬を宝物をようにかぞえているのだろうとおもう。
小枝のいじらしさに
文治がかえせることは、
己の欲情をたたきつけることでしかない。
小枝の足を開き、小枝の鋭い場所に顔をうずめ
文字通り甘い汁をすすりあげると、
小枝のわななきがいっそう甘くなる。
女である場所に
男である物をおさめつくしてくれと
小枝の声が文治を促す。
おもえば、八たび。
小枝を貫いたものが
小枝に痛みでないものを
覚えさせ
女といううろが、文治にじかに応えている。

だから、いっそう、文治は小枝に夢中になる。

だが、今日の小枝は文治の問いかけに
悲しい予感が現になる日が
近づいているとさとっていた。
「文治さんが、狩場を変えるときは小枝におしえてください」
黙って別れてくれるなと、小枝は懇願し
「小枝はいつまでも、文治さんのものです」
と、つけくわえた。

ここを去り、いつか、文治も嫁をもらうだろう。
そして、何年かあとに、
もしも、この場所に立ち寄ることがあったら、
小枝はいつでも、文治をむかえいれる。

それだけの女でいい。
それだけしか、望めない。
文治がたとえ、いなくなっても、
いつでも、いつまでも、文治の女である小枝でしかないから。

「だから・・・いつでも・・・」
小枝をおいていってくれればいいのですと、
告げる言葉が涙にうずもれ、
小枝の悲しみをふさぐために
文治はひとときの快さを小枝にきざみつける。

繰り返される振幅が小枝を深みに
ひきいれ、
いままでと違う感覚が小枝を包みだし、
声を上げずに置けなくさせた小枝のうろが
間違いなく
「女」になったと文治にもわかった。



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