The 理科ロマンスカー

人生を振り返りつつ見過ごしては禍根を残すであろう事柄に着目。
日本の正義・倫理・規範・疑惑等々婉曲的に発信。

「言語能力」。ハッとしました!!

2020-07-16 06:34:48 | 日記
 文藝春秋8月号に「安倍首相の『言語能力』が国を壊した」を冠したノンフィクション作家柳田邦男氏の論文が載っている。副題は「『新型インフル』『大震災』の教訓がなぜ活かされないのか」。新型コロナウイルス対応におけるこれまでの言動を中心にリーダーの危機管理論を、16頁にわたって縷々述べられている。
 
 「言語能力」の言葉に鳥肌が立った。メディアからこのところ伝えられる政治家の新型コロナウイルスについての発言の表現である。それは、
「〜〜を総合的に判断する」
「〜〜今はその段階ではない」
「〜〜大幅に広がっている状況ではない」等々。
 この表現では納得感や安心感が得られず、行動の変容にまで至らない。それはなぜだろうか?。

 長いこと携わった学校教室では理由や根拠がはっきりしない児童・生徒・学生の発言には、「そう考えたわけを付け加えて」「もう少し詳しく話して」「今の発言でそのように思ったことや感じたこと付け加えて」などと助言し補足させて、国語力、言語表現力の補強を図ってきた。説明を付け加えられない場合は「何となくそう感じたのですね」と無理に言わせもさせなかった。

 人を動かす表現は、論理的で根拠や理由を含めて分かりやすく、しかも端的に表すことが、聞き手の心に沁み込み、行動変容を促していく。

 リーダーの言語能力問題は、学校国語の指導に問題があるのか、文部科学省作成の学習指導要領国語科内容編成が根源か、それとも個々の資質に起因するのか、あるいは確信犯的に表現を選んでいるのか、他も考えられるか。