作家でマルチタレントの野坂昭如さんが死去した。85歳。彼が亡くなる4か月前に「サンデー毎日」で、反戦と平和の尊さを訴えていたことがいま話題を集めている。(以下の記事を参照・http://lite-ra.com/2015/12/post-1768.html)
野坂さんはここで安保法制と安倍政権の危険な体質を克明に説明しているが、それは読んでもらえれば分かるだろう。したがって、彼の戦争への“危惧”をここで直接取り上げるつもりはない。天寿を全うした野坂氏に対し、ただ一文を捧げるだけである。
私は野坂さんとは一面識もないが、彼の活躍ぶりは知っていたつもりだ。言ってみれば、戦後日本の自由な社会を最も謳歌した人だったと思う。そういう意味で、だいぶ前に亡くなった青島幸男さんと双璧ではなかっただろうか。2人とも直木賞を受賞したり、作詞家でテレビタレント、歌手などで活躍したほか政治家にもなった。まさに“マルチタレント”の名にふさわしい。
特に野坂さんはあの田中角栄元首相に対抗して、当時の新潟3区から立候補したことが忘れられない。落選はしたが、選挙期間中に暴漢に襲われて負傷するなど、なにかと注目を集めたものだ。あとは些細なことかもしれないが、どうしても忘れられないことがある。
それは30年ほど前だったか、某週刊誌に野坂さんが夏休みの1カ月ぐらいに、マルクスの「資本論」を全部読破したと書いていたことだ。「資本論」を全部読むなんてウソだろうと思ったが、本人がそう言うのだから信じておこう(笑)。あんな難しい本は私は“かじった”だけである。
とにかくあの人は、破天荒と言うかハチャメチャな所もあったが、戦後日本の自由な社会を思う存分生き抜いた人だったと思う。管理社会の今の日本では、こういう人はだんだん少なくなるだろう。最後に野坂さんのご冥福を祈るとともに、彼が作詞した『おもちゃのチャチャチャ』と『マリリン・モンロー・ノーリターン』をリンクしておこう。
https://www.youtube.com/watch?v=NY07jTpXxHs
https://www.youtube.com/watch?v=ozehpPA85AE
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