<以下の文を復刻します>
古い映画(DVD)を手当たり次第に見ているが、藤沢周平原作の『花のあと』は実に見事だったと思う。映画が面白かったのですぐに小説(文春文庫)を読んだ。藤沢周平の小説は初めて読んだが、映画は原作以上の出来映えではなかったか。原作より劣る映画が多いなかで、これは異例だろう。
短編小説なので十分に理解できない面があるが、映画はそれを補って余りある。むろん、映画なので原作を逸脱しているシーンがあるが、それは仕方がない。それこそ脚本の妙だ。原作では主人公の武家の娘・以登(いと)は口が大きくて美人でもなんでもないが、彼女に扮した北川景子が美しすぎたか。しかし、これも仕方がないだろう。もともと美人なのだから(笑)。何度見ても良い映画だと思う。