<以下の記事を復刻します。>
以前書いた記事をふと思い出した。それは有名な小説『氷点』(三浦綾子作)の映画についてだが、その中で日本舞踊の師匠(森光子役)である女性が、主人公の義父(船越英二役)に対し、自分の秘密を打ち明けるシーンがあった。
彼女は「実は子供を産んだことがあるのよ。すぐ死んだけど」と言って、相手の男性についてこう述べる。
「その人はマルキストでね。節を曲げずに戦時中、牢屋で死んだの。惜しい人だった。あんな男とはもうご対面できなくなっちゃった。でも、生き甲斐はあったわ」というものだ。
森光子がきっぷの良い爽やかな役柄を演じていたから、この告白は余計に素敵な印象を受けた。 義父が「ふ~む、ロマンチックな秘密ですね~」と語ると、彼女は「言わなかったのよ、大事にして。絶対 だれにも」と答えた。
私はこの場面を見て、かつて反戦・平和のために戦った共産党員だったら、きっと胸にジ~ンと応えただろうと思った。 「あんな男とはもうご対面できなくなっちゃった」というくだりは、あんな素晴らしい男とはという意味だろう。
彼女の愛人は獄中で死んだが、彼の思い出は踊りの師匠の心にずっと生き続けていたのだ。愛の冥利に尽きる。 私は感動して映画(DVD)のこの場面を何度も見直したから、セリフは一字一句間違いない。こういう場合はDVDは便利だ。
戦場で殺し合いをして戦死するのも、徴兵令があったからやむを得ないが、反戦・平和のために獄中で死ぬのも意義があるのではないか。
私はマルキストではないし、作者の三浦綾子さんもクリスチャンだった。当時の共産党とは関係がなくても、ものを感じる人間には変わりがない。
現在は、ほぼ、日本共産党の方針を支持していますが、百%とは行きません。
疑問や意見があれば、納得のゆくところまで食い下がります。
それに、学生時代、当時の日本共産党の武装闘争方針について行けず、近くのキリスト教会の日曜学校を手伝い、つい女性牧師の誘いに乗って、洗礼まで受けてしまいました。したがって音痴の私もいくつかの讃美歌は歌えます。ところがその後必要があって、家族の遺骨を原水禁運動で知り合った本願寺派のお寺に預けることになり、この元旦も、賀詞交換はお寺で済ませています。
まあ,強いて理屈をつければ、キリストも、親鸞も、マルクスも、弱者により沿っていた点で共通点があります。
三浦綾子さんには、私の主宰した行事に講演をお願いしましたが、すでに病気の進行で不可能になり、直筆のメッセージを頂き大事にしまっています。
けさ、たまたまCS放送を見たら「氷点」をやっていました。森光子の台詞を聞いてにわかに復刻した次第です。
もし、自分がもっと若かったら、共産党の武装闘争方針についていったかもしれません。時代によって人生も変わりますね。
キリストも親鸞もマルクスも、弱者に寄り添っていたのだと思います。これからも永く影響が続くのでしょう。
三浦さんの直筆のメッセージは貴重ですね。どうぞ大切にしてください。
今年もより一層のご活躍を祈っています。ご自愛ください。
私は共産党員でもなく、その思想が、どうとかはいえませんが、はるか遠い昔、とても憧れた方がいました。
たぶん、私はその方の影響を受けたのかも?
戦争とか平和とか考えさせられる時があります。
忘れていましたが、氷点、見てます。
多くの人がそう思っているでしょう。これからも、その考えは変わらないと思います。