矢嶋武弘・Takehiroの部屋

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日米安保条約の変質

2024年12月26日 03時41分34秒 | 政治・外交・防衛

☆ 2012年12月7日に書いた以下の記事を復刻します。

日米安保条約(いわゆる「60年安保条約」)が締結されて今年で52年になるが、その間に、安保条約の“位置づけ”が大きく変化したようである。 実は、あいば達也氏のブログを読んで気がついたのだが、もともとの日米安保は、ソ連などの共産主義国家に対抗して、極東の平和と安全、とりわけ日本の平和と安全を守るために締結されたものである。
 ところが、最大の仮想敵国であるソ連が1991年に消滅し、東西冷戦時代は終結してしまった。本来はこの時点で、安保条約の“見直し”をすべきであったのだが、自民党政権は何もせずにズルズルと日米安保体制を続けてきたのである。
 その評価は別にして、先のブログを読んで分かったのは(以下を参照・http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/dec012d4a9b1791f80da0d5e2587cf3c)、安保条約と在日米軍基地が、完全にアメリカの「世界戦略」の一環に組み入れられてしまったということだ。これを日米安保の“変質”と言う。
 
どういうことかと言うと、在日米軍とその基地は、もっぱらアメリカの世界戦略のために使われている。ベトナム戦争の時はもちろんそうだったが、ソ連消滅後も、イラク戦争やアフガニスタン戦争などで使われ続けているのだ。 イラク戦争やアフガン戦争は、日本の安全保障と直接には関係がない。いろいろ理屈をこねて、これらの戦争が日本の平和と安全に関係があると説く専門家もいるが、まず関係ないと言えるだろう。
 戦後、日本は一度も戦争をしていないから、在日米軍が“現実に”役立ったことは一度もない。もちろん、安保条約があるから、日本は戦争に巻き込まれず平和にやって来れたのだと言う人も大勢いる。
 
そういう見方もあって当然かもしれない。しかし、日米安保が無くなったら、すぐに戦争が起きるのか。在日米軍がいなくなったら、中国や北朝鮮、ロシアなどと戦争になるのか。そうなるだろうと言う人も少しはいるが、すぐに戦争が起きるとはまず思えない。 日本にも精強な「自衛隊」はあるのだ。自衛隊は遊んでいるわけではない。外国の“侵略”があれば断固戦うはずである。また国民もこぞって戦うだろう。
 それとも、自衛隊だけでは不安だというのか。いつまでもアメリカ軍にいてもらわないと安心できないというのか。もしそうであるなら、永久にアメリカ軍にいてもらうしかない。
 そうではないだろう。日米関係は友好であるのが一番だ。だからと言って、未来永劫 アメリカ軍にいてもらう必要はない。安保が無くなっても、日米友好条約とか相互援助条約などを結べばいいのだ。横須賀や佐世保などはどんどん寄港してもらえば良い。やり方はいろいろあるのだ。
 
日米安保体制が変質したことは、2005年10月に日米間で署名された「日米同盟:未来のための変革と再編」(末尾にリンク)で明らかになっている。 これは同じ年の2月に、日米安全保障協議委員会で合意された共同発表(末尾にリンク)を受けて策定されたもので、日米両国はアジア太平洋地域だけでなく、“世界における課題”に対処する「同盟関係」だということをはっきりと謳っている。
 つまり、アメリカの世界戦略に日本が完全に組み込まれたことを意味するのだ(日本には“世界戦略”はない)。これが良いか悪いかは別にして、安保条約の“位置づけ”が52年前とは大きく変わったことを知るべきである。 日米同盟に賛成であろうと反対であろうと、安保条約がこんなに変質したことを認識して、今後の日米関係を考えていくべきではないか。
 

「日米同盟:未来のための変革と再編」・http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/henkaku_saihen.html
 


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