<2011年11月25日に書いた以下の記事を復刻します>
「もんじゅ」
世の中には色々な無駄があるが、福井県敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」ほど無駄なものはないだろう。「もんじゅ」についてはさんざん議論されてきたが、先の行政刷新会議の政策仕分けでも、抜本的見直しの提言が行なわれた。
ここで、結論から先に言うと、直ちに廃炉にすべきである。もう皆さんご存知のはずだが、「もんじゅ」はこれまでに1兆円以上の金を使ってきたのに、事故ばかり起こしてほとんど稼動していないのだ。しかも、完成するのにあと40年もかかるという。一体、どれだけ金がかかるのか・・・
これを聞いただけでも、何をやってるんだと思ってしまうが、国が原子力政策を推進してきたからまだ存続している。ところが稼動してから17年間、1キロワットも発電していないのだ! こんな発電所があるだろうか。つまり故障続きで何の役にも立たず、それでも年間の維持費が200億円以上かかるという。もう馬鹿馬鹿しくて話にならない。
なんでも、冷却材にナトリウムを使っていて、それを70度以上に保つために膨大な電気を使っているという。自分は全く電気を作らずに、逆に電気ばかりを使っている! こんなアホな話があるだろうか。(詳しい話は、末尾にリンクしておく)
この件について、文部科学省は「ここで止めたら1兆円の投資が無駄になる」と言ったというが、今のまま続けていけば、あと40年でどれだけ金がかかるのか。何兆円もかかるかもしれない。それで高速増殖炉は本当に完成するのか?
仮に完成しても、「もんじゅ」はたったの24万キロワット余りの出力しかない。他の原発よりはるかに出力が低いばかりか、普通の火力発電所の35万キロワットにも及ばないのだ!
こんな古びた高速増殖炉にしがみつくのは、原子力の利権組とメンツだけを重んじる文科省だけだ。海外ではアメリカを始めほとんどの先進国が、もうとっくに高速増殖炉から撤退している。故障ばかり起こすからだ。
以上、「もんじゅ」の問題点を簡単に説明したが、少しでも常識があれば、誰だってこんなものは廃棄するだろう。しかも、万が一にも地震その他で大事故が起きたら、最悪の猛毒であるプルトニウムが漏れ出す可能性がある。プルトニウムがどんなに危険かは、もう皆さんよくご存知だろう。
「もんじゅ」は知恵の象徴である文殊菩薩に由来する。永平寺(福井県)の僧侶が名付けたというが、今は自らの不明を恥じているそうだ。それはそうだろう。こんな危険で馬鹿げた“金食い虫”は他にないからだ。
私はふと戦艦・大和を思い出した。大和も大変な予算を投じられたはずだが、今ならどのくらいかかっただろうか。まさか1兆円を超すとは思えないが、米軍機の攻撃を受けて撃沈され海の藻屑と消えた。しかし、大和は短い命だったとはいえきちんと役目を果たした。沖縄へ出撃したのである。
それに比べると「もんじゅ」は何の役目も果たしていない。1キロワットも発電するどころか、逆に膨大な電気を食い続けているのだ!
こんなものは一日も早く“廃炉”にすべきである。そして跡地を、広島の原爆ドームではないが、人間の愚かさと原発の危険性を象徴する記念施設にでもするがいい! (2011年11月25日)
<参考>
小出裕章氏の話・・・http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65776686.html
「もんじゅ」にはいろいろな問題があることは明白です。 大多数の人が止めて欲しいと願っていると思います。
一日も早く「もんじゅ」が廃炉になることを願っています。
疫病神でしょう。
それに関わる人たち、利権などが絡むので大変です。
しかし、駄目なものは駄目なので、決断と実行が何よりも求められます。大英断が必要でしょう。
何事もそうでしょう。
八ツ場ダムもあれだけ騒いだにもかかわらず、事業は続行。
あきれるばかりですね。
その「大和」も呆れるほど、もんじゅは全く何の役にも立っていないのです。
本当に笑いました。
馬鹿馬鹿しいを通り越して、狂っています。一戸億単位というのは初めて聞きましたが、あの戦艦「大和」も海底で仰天しているでしょう(笑)。
一刻も早く廃炉にすべきです!
その結果がこれですか・・・。ふざけるな!といいたくなります。