<空想、夢想、幻想、妄想の物語・2013年10月19日スタート>
むかしむかし、今から1000年以上もむかしのことですが、奥州の白河という所に安珍(あんちん)という若い僧がいました。安珍は年のころ23~4歳ぐらいでしょうか、毎年、紀州の熊野権現(くまのごんげん)に山伏姿で参詣していました。そして、この年もお参りする時期がやってきたのです。安珍にはハムレットとドン・キホーテという親友がいましたが、 . . . 本文を読む
<以下の文を復刻します。>
昔、地政学に関する本を読んだことがあるが、日本とイギリスを比較する箇所がずいぶんあった。両国とも「島国」だから著者は比較したかったのだろう。内容はあまり覚えていないが、日本もイギリスも“海洋国家”として進む運命にあると書いてあったように思う。その時は、西洋のイギリスに対する東洋の日本という位置づけは、何か自尊心をくすぐられるようで悪い気がしなか . . . 本文を読む
<以下の記事は2021年1月17日に書いたものです。阪神・淡路大震災から満26年がたっていました。>
6434人の犠牲者を出した阪神・淡路大震災から、今日で丸26年を迎えた。テレビなどでいろいろ報道しているが、いつも思い出すのが、犠牲になったある大学生から母親に宛てた手紙である。この手紙に接したある音楽家が感動して、バラード曲をつくったことを新聞で知り私も忘れられなくなった。手紙の主は当時 神戸 . . . 本文を読む
1) 私のような83歳のジジイがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を語る資格はないが、あえて話しをしていこう。元テレビ局員の話しだ。
さて、先月の兵庫県知事選挙は、失職した斎藤元彦氏の再選で終わったが、その後、選挙の「広報活動」の在り方などが問題になっている。これが公職選挙法に違反しているのではと議論を呼んだが、そういうことは選挙の専門家に任せておこう。ここでは、あくまでも「SNS . . . 本文を読む
<“飽食”の時代に、以下の記事を一部修正して復刻します。ただし、2002年3月に書いたものなので、時代錯誤の面があることをご了承ください。>
1) 2月下旬のある日、私は湯島天神に出かけた。梅の名所だというので、初めての参詣に赴いたのである。 晴天のもと、数多くの白梅が可憐な花を咲かせていた。所々に、紅梅も美しい姿を見せている。300本ほどの梅の木があるのだそうだ。ウ . . . 本文を読む
<2020年6月18日に書いた以下の文を復刻します>
〈前書き〉
極左や極右の人で知っている人はほとんどいないが、私には忘れられない人が2人いる。いずれももう他界されたが、1人は小野正春さん、もう1人が野村秋介さんだ。野村さんは右翼の大物として有名だが、小野さんは革共同・中核派の幹部で、一般にはそれほど知られていない。ただし、ここでは時代の経過と私の体験上、まず小野さんのことから語っていきたい . . . 本文を読む
50年以上前に、フォークの女王ジョーン・バエズが歌っていたのが『思い出のグリーン・グラス』だ。これを聴くと、さまざまな想いが胸に去来する。
https://www.youtube.com/watch?v=eHEXUdgiYxI . . . 本文を読む
過去の作品をまとめる必要が出てきたので、この場を借ります。ご了承ください。
月へ帰っていく“かぐや姫”
http://blog.goo.ne.jp/yajimatakehiro/e/d266a10b35d3e5a9935ec572504fe899http://blog.goo.ne.jp/yajimatakehiro/e/7213aec67818d3273b7a24 . . . 本文を読む
早朝に目が覚めると、藤吉はかぐや姫の膝の上に伏していました。先日も同様のことがあったのですが、さすがに藤吉はがばっと跳ね起きると、姫に向かって告げたのです。「姫様、今日は八月十五日です。こうしてはいられません! 全てのことが今日中に決まりますので、私はすぐに竹取の翁様のもとへ参ります」藤吉が息せき切ってこう述べると、かぐや姫が落ち着いた声で答えました。「藤吉殿、そうです。今日中に全ての . . . 本文を読む
「な、なにをするのですか? はしたないことは止めてください!」 驚いた藤吉が叫びました。「“はしたない”って何のこと? 藤吉殿、私はあなたを愛しているのです。それがなぜ悪いのですか?」かぐや姫は今度は白い両手を回し、藤吉の首筋にからませました。姫の熱い吐息が顔にかかり、藤吉は緊張のあまり息も絶え絶えになりました。芳(かぐわ)しい香りが辺りに満ちてきます。 すると . . . 本文を読む
かぐや姫はこのように言うと、さらに激しくむせび泣きました。藤吉(とうきち)は心配でなりません。思わず姫の両手を取ると諌めるように言いました。「姫様、あの頃のことはもうおっしゃいますな。過ぎた昔の話ではないですか。それよりも、姫様が月に帰るとはただ事ではありません。翁様にも嫗(おうな)様にもおっしゃっているそうですが、聞き捨てならぬこと。一体、どうされたのですか?」「藤吉殿、あと1ヶ月もすれば私は月 . . . 本文を読む
かぐや姫が宮仕えを拒否したことで、帝(みかど)の姫への好奇心はますます高まりました。こうなったら、意地でも姫に会わねばなりません。帝の権威、面子から言ってもこのまま引き下がるわけにはいかないのです。帝はいろいろ考えました。そして、出た結論としては、狩の行幸をする振りをしてかぐや姫の館に立ち寄れないかというものでした。これならばごく自然に、大げさでなく姫に会えるかもしれません。さっそく、竹取の翁を呼 . . . 本文を読む
石作皇子(いしづくりのみこ)は仏の御石の鉢を求めて天竺・インドへ行くのは、あまりに馬鹿げていると考えました。天竺へ行っても、宝物が手に入るとは限りません。それに、莫大な費用がかかることも確かです。しかし、かぐや姫となんとか結婚したいので、当分の間 姿をくらまし、天竺へ行った振りをすることにしました。そして3年ほど経ったら、仏の御石の鉢に似せたそれらしい鉢を持ってこようと考えたのです。次に車持皇子( . . . 本文を読む
<空想、夢想、幻想、妄想の物語。 2013年4月30日スタート>
むかしむかし、かぐや姫という美しいお姫様がいました。かぐや姫は竹取の翁(おきな)というお爺さんに見つけられ、その妻の嫗(おうな)の手元で健やかに育てられました。かぐや姫が見つかったいきさつは、以下のとおりです。竹取の翁は野山に入り竹を取っていましたが、ある日のこと、根元が光る竹を一本見つけました。不思議に思って近寄って見ると、竹の . . . 本文を読む