<以下の記事は2013年1月10日に書いたものですが、参考までに復刻します>
森喜朗元首相が2月にロシアを訪問しプーチン大統領と会談するそうだが、それを前に民放テレビの番組で、択捉以外の国後、色丹、歯舞諸島の返還を求めるべきだとの考えを示したという。要するに択捉島を除く3島返還論だ。
北方領土問題をここであれこれ言うつもりはないが、結論から言えば、2島でも3島でも返ってくれば御の字ではないか。 原則論から言えば最低でも4島、いや千島列島全部だとか南サハリン(南樺太)も含むとか際限がなくなる。そうなると、交渉事だから1島も返ってこない場合がある。 いや、現に戦後67年以上たっても1島も返ってこないではないか! 理想論や原則論ばかり振りかざしていたら、一つも前に進まないのだ。
それとも、日露関係を改善したくないとか、ロシアとは永遠に敵対していたいというなら話は別だ。論外である。外交は対ロシアだけではない。中国や韓国、北朝鮮など東アジア全体の中で考えるべきだ。 私も理想論や原則論にこだわる方だが、それとは別に「現実」を重視すべきだと言いたい。日本はいま北朝鮮はもとより、中国や韓国とも決して良い関係になっていない。そういう面から考えると、アメリカだけでなくロシア、インド、東南アジア諸国などと連携を深めることは、日本の国益にとってプラスになるはずだ。
まあ、外交の専門家ではないからもう止めるが、日露関係が前進することは経済関係や資源問題だけでなく、政治面でもプラスになると考える。(2013年1月10日)