Wander Life

癒しを求めた流浪の旅模様を綴ってます

続・「白鳥」&「はまなす」乗り納め紀行③【最後の24系B寝台の夜】

2016年03月07日 22時09分00秒 | 鉄道旅

2016年2月29日

 


午前1時30分、携帯アラーム(バイブ)で目が覚める。ここはどこ?なぜこんな夜中に?
約15秒後、思考復活。「はまなす」に乗っていたんだった。
砂原支線の夜景を完全観賞する為にこの時間に起床。しかしとてつもなく眠い。
列車はすぐに八雲を通過。八雲を通過するシーンは記憶に無いので新鮮。
外は吹雪。昨日はあんなに晴れてたのに。しかし「はまなす」は吹雪をものともせず快調に走る。
しばらくすると車窓に夜の噴火湾。強風の為、荒れて白波が立っている。吹雪の夜の噴火湾。
「あけぼの」から見た夜の日本海を思い出す。夜行列車からでしか見れない情景。
砂原支線を見るのが目的だったけど、吹雪の噴火湾夜景にすっかり釘づけになる。

街灯には横殴りに降る雪が映し出される。吹雪の中を力走する「はまなす」。これぞ北海道夜行。
やはり自分にとって冬の北海道・東北はスペシャル。それは何と言っても、この日常を忘れさせてくれる雪景色。
雪国の方にとっては自然の脅威となり、安易に「きれい」などと言ってられないのは承知してるけど、それでもやはりこの景色見たさに来てしまう。
しかしこの雪の夜景を寝台から眺められるのはこれが最後。ひたすら吹雪の噴火湾を眺めて目に焼き付ける。

1時55分、列車は森を通過。クネクネとポイントを渡り砂原支線に入った。
同時に「ズズンズズン」という独特のジョイント音に変わる。
吹雪で視界が悪い為、残念ながら噴火湾までは見えないけど、きれいな針葉樹林の中を走る。
砂原支線には「流山温泉」という温泉があって、かつてキハ40に乗って2回程行ったことがあったものの、確か1年位前に廃業となってしまった。
JR北海道直営の温泉で、やはり財政難の影響だったらしい。いい温泉だったのに。
針葉樹林帯に時折民家が見える雪景色を眺めていると、再びポイントを通過し大沼を通過。砂原支線終了。
初めて「はまなす」で砂原支線の夜景を完全観賞でき一安心。ホッとしてベッドにゴロン。

 

定刻2時52分、函館に到着。昨夜あれだけ寒かった車内はいつの間にかポカポカで暑いくらい。
そのせいかひどく喉が渇いたので、ジュースを買いにホームへ。

 

函館駅は横殴りのみぞれ。しかしそんな中多くの乗客がホームを行き来する。

 

静かに発車を待つ「はまなす」。夜の函館で青い客車を見れるのも残りわずか。
機関車交換は今までにも見てきたし、寒いし眠いしで、ジュースを飲み終わると自分は車内に戻って就寝。
寒い外から戻り、この包み込まれるような安堵感の寝台で眠りにつく。
まどろみ状態の中、「はまなす」が函館を発車したのはわかった。

 

翌朝、どこかに停車しているのに気付く。外は明るくなっている。これは蟹田での運転停車。
それまで続いていたジョイント音が途絶え、急に静寂が訪れたのに気付いて目覚める。寝台列車で何度も経験した起床シーン。
今後この感覚が味わえるのはいよいよ「サンライズ」だけ。


蟹田を発車すると「ハイケンスのセレナーデ」に続きおはよう放送。列車は定時運行中。
「寝台車の浴衣はお持ち帰りになれません」とのアナウンス。
毎度のことながら、廃止間際になると車内の備品を勝手に持ち帰る輩が出現する。
「あけぼの」の時は個室の灰皿が外されているのを見たし。もはや鉄道ファンでも何でもない、ただの窃盗犯。

 

1月に乗った時は暗くて見えなかったけど、雪原の向こうには北海道新幹線の高架が見える。
青函在来線もいよいよカウントダウン。この高架を見ると現実が迫ってくる。

 

そして定刻6時19分、終点青森到着。24系開放B寝台最後の乗車が終了。

 

比較的暖かな青森の朝。ここでも多くの人がホームを行き来する。

 

学生時代に「エルム」で初めて乗った24系B寝台。あれから26年、ついに終焉の時。14系・24系を静かに眺めながら物思いにふける。
20分後の6時39分、DE10に牽引されて「はまなす」回送。14系のエンジン音が聞こえては消え、また聞こえては消えを繰り返し、最後部9号車が自分の前を通り過ぎて行った。

次回、3月20日上りラストラン。

 

 

 

 


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