使い初めの最初の数ヶ月はまずまずでした。交換したのは3月頃だったと記憶しています。洗濯乾燥機の初期でしたから、乾燥機能はあまり完全ではないと注意書きにありました。それでも大分助かります。タオルはすっきりと乾いていましたし、問題は感じませんでした。それがしばらくするときちんと乾かなくなってきたのです。しかも汚れが今ひとつ落ちていない。生乾きで洗濯機の中に入っていたものは細菌が増えていて、例の悪臭がしていました。仕方なくもう一度洗濯するのですが、すると今度は乾いているのでした。
この辺りから、ひょっとして汚れがきちんと落ちていないからちゃんと乾燥しないのでは?と思い始めました。しかし、思考はそこまで。次に洗濯をするときにはすっかりそれが頭から抜けていました。うまく乾燥しない時はもう一度、というのを繰り返しつつ、夏になりました。
夏にはさらにこの状況はひどくなり、殆ど毎回二度洗いをしていました。特に汗を大量にかく夫の洗濯物でそれが頻発。さらに汚れがとれていないせいか、乾いてもなにか変な匂いがするのでした。仕方なく、もう一度洗濯をする。そんなことを繰り返しながら、次第に汗が問題なことが分かってきましたので、主人のものだけは一度水洗いをし、それから洗濯機に入れることにしました。
これでしばらくは何とかなることがわかり、汗の成分とはすごいものだなぁ、などと思いながらこの洗濯機とおつき合いしていきました。以前の洗濯機は一槽式の全自動でしたが、こんなことは一度もありませんでした。ここで本当は何が原因なのか追求するべきだったのです。しかし、仕事と子育ての忙しい日々で、そこまで突き詰めて考えることはありませんでした。ともかく洗濯ができれば、との思いで毎日を過ごしていたのです。今になってみれば、なんでそこで考えない!とその時の自分に突っ込んでしまうのですが、洗濯機を信じていたんですね。メーカーさんのマニュアルと、洗剤の説明は何度も読みましたが、実際に目の前に起こっていることからの考察が全然なかった。本当に情けなくなります。もう少し自分で考えろ、ですね。
それはさておき、そうして一昨年の暮れ、この洗濯機はとうとうスイッチが入らなくなり、突然に約10年の生涯を終えました。冬とはいえ、洗濯機のない生活は殆ど成り立たないので、徹夜で次の洗濯機のリサーチをしました。まずドラム式の振動と音に参っていたので、ドラム式はパス。また、うすうす感じていた水での洗浄の大切さから、某メーカーの縦型洗濯乾燥機を選定し購入しました。このリサーチのときにも目についたのはやはり「節水」「エコ」。そうはいっても縦型なので大丈夫だろう、と思っていたわけですが、それは実は甘かった。
使い始めてまず不審に思ったのは、色の濃いものを洗った際にべっとり糸くずがついていることでした。最初見たときには随分驚きました。なんじゃこりゃ~ あ~やっちまった~ なんて洗濯機を選んでしまったんだ。。。と随分後悔したものです。そしてこの問題が解決するまで一年近い時間がかかりました。ともかく、そういう問題を抱えつつも、仕方がありません使い続けました。しかし、夏になってまたもや前回の洗濯機と同様の問題が起こったのです。一度の洗濯ではきれいになっていない。二度三度の洗濯でやっとすっきりする。という状況です。愚かにも洗剤の問題かもしれない、などと考え、洗剤も変えてみたりしました。しかし、全く関係ありませんでした。
昨年は自分の仕事も異様に忙しかったため、原因がどこであるのかまじめに考えることもせず、ともかく何度か洗濯することでやり過ごしていました。そしてまた冬がきて、色の濃いものとくにフリースの類いを洗濯するたび、乾かしたあとびっしりとついた細かい糸くずを洋服ブラシで落としながら、前の洗濯機の方がまだましだった、と溜め息をついていました。しかしあるとき、それは非常にタイトなスケジュールの早朝にこの作業をしつつ、ついにスイッチが入りました。ふざけるな。一体何が問題なんだ。
それから洗濯物につく糸くず問題を本気で考え始めました。もちろん、マニュアルは隅から隅まで読みましたが、せいぜい糸くずフィルターを掃除してね、の程度。してるよ。毎回。ネットのQ&Aの類いも検索。その中で、ヒントになった回答は、水量の問題に言及したものでした。汚れが落ちない、というものに対する回答だったと記憶しています。「水量」ということにピンと来るものがありました。私のこの十年間使ってきた洗濯機はいつも「節水」「エコ」型でありました。それで早速水量をチェック。何リットル、という数字では分からない。洗濯機の蓋を開けたまま、洗濯を開始。一体どういう状態で洗濯が行われているのかチェックすることにしました。
そこで本当にびっくりしたのはその水量の少なさでした。さらに注目したのは水の循環でした。洗濯機の中の水は常に吸い上げられ槽の一角にあるフィルターを通してまた槽にもどってくるようになっていました。そのときに洗濯槽内の洗濯液の糸くずは漉しとられるはずなのです。ところが水が少なすぎるため、吸い上げられた水はフィルターのある高さまで十分に上がらず、フィルターの下の方、たった一センチほどのところから戻ってきていました。殆ど糸くずが漉しとられていないはずの洗濯液をじっと見ると、はたして糸くずだらけ。たしかに洗濯後に多少の糸くずはフィルターに溜まっていたので、まさかこんなことになっているとは思いもよりませんでした。
そこで、手動で水量を増やし洗濯再開!濃い色のフリースを洗ってみました。前回の洗濯で糸くずがびっしりついたものをそのまま洗濯しました。そして洗濯は終わり、出してみたら!すっきり。濃い色のフリースにはまったく糸くずはなく、きれいな仕上がり。おお!そして糸くずフィルターにはごっそりとゴミが溜まっておりました。水量調節であっさり解決。なんてこった。
そして洗濯における水量は、別の問題も解決してくれることを確信していました。夏の汗の洗濯。汗は結局水に溶かし、洗い流すしかないのです。ある程度の量の汗にはある程度の水量が必須なのです。そしていよいよ暑い季節になり、汗でべっとりの洗濯をすることになりました。いざ、高水量の洗濯へ!結果はもちろんOK。すっきりとした洗濯物に感動。さらにセスキ酸も活用して、今年の夏はすっきりした洗濯物をたたむことができて幸せでした。
この洗濯問題の解決で、おもいがけずもう一つの問題も解決しました。
それは部屋の中の綿埃。思えば昨年から、ふわふわと年がら年中沢山の綿埃が部屋に漂よっていたのです。フローリングってこういうのがダメよね~などど、のんきなことを考えていたのですが、実は糸くずだらけの洋服からそれらの綿埃が発生していたのでした。高水量で洗濯を行うようになって、この綿埃もすっかりなくなりました。まったく何ということか、と唖然とした次第です。
ながなが私の失敗談を書いてしまいました。自分の頭で考えることが大事だと長年かかって気がついた経緯をまずは書いてみました。次からは私の子どもに伝えようと思う洗濯マニュアルをつくってみます。