無知の知

ほたるぶくろの日記

家事は科学だ!5- ということで炊事

2015-03-08 19:14:22 | 生命科学

 洗濯、掃除ときて、とうとう三大家事のひとつ、料理です。とりあえず美味しくいただければ何でもいいんですが、おいしい、を追求すると奥が深くて面白い世界がひろがります。話題の方向は広いですし、あまり構造を意識し過ぎてもつまらないので、なんとなく気になっていること順に書くことにしました。

食べ物でまず気になるのは、「それは食べられるのか?」ということです。

 1)エディブルか?

シンプルに考えて、まずは食べられるのかどうか?という問題があります。

最近いろいろな報道があって、食べられるもの、と思っていたのに実は毒のある場合もあることが分かった、というケースが結構あります。

 2008年に茨城、大阪と相次いで料理の盛りつけに使われていた紫陽花の葉を食べた方が中毒症状を起したことが報道されました。「へぇ~紫陽花には毒性があるの?」と思って調べましたが、そのときには「青酸配糖体、たとえば青梅に含まれる毒物、が含まれる」とあり、気をつけないといけないんだ、と思ったのです。ところがその後の検査では、青酸配糖体は検出されず、アルカロイドなども疑われました。しかし実は未だに毒性成分は特定されていないようです。猛毒ではなく、中毒を起こした方は回復されていますので、そう心配することもありませんが、紫陽花の葉は「食べられないもの」と思っておいた方が良さそうです。

 びっくりしたのは「甘茶」の中毒報告です。2009年には岐阜で、2010年には神奈川でそれぞれ花祭りで子どもが甘茶を飲み、嘔吐などの症状を訴えたそうです。この場合も軽傷で、みな回復したようです。甘茶は古くから用いられてきた植物で、まさか毒性成分があるとは思いもしませんでした。しかしこちらも原因物質の特定はできておらず、未だに不明なようです。

 スギヒラタケも同様の事例です。2004年に初めて急性脳症をおこした例が報告され、60人中19人が亡くなりました。当初は腎臓機能の低下している方が発症すると考えられていたのですが、今は腎機能は関係なく発症することが分かっています。また、改めて調べると、実はそれ以前からもそのような症例が報告されていたことも分かりました。今は毒キノコとして分類されています。お気をつけ下さい。

 魚介類での事故の話しはやっぱり「ふぐ」がダントツです。養殖でも養殖の仕方によっては毒のある場合もあるらしい。食べ過ぎには注意だそうです。大体毒は8時間くらいで尿から排泄されるそうで、それまでなんとか呼吸を確保しておくのが治療だそうです。このふぐ毒は元はと言えば海の中の細菌がつくり出します。それが貝に溜まり、その貝を食べたふぐは毒を溜め込む。と説明されています。実際、餌を無毒のものにすればふぐも無毒になります。

それでは貝は、となりますね。私の知り合いの関係者は、ある民宿で名も知らぬ貝のゆでたものを沢山出され、それを食べた夜、中毒症状を起こし亡くなってしまいました。どういう症状だったのか、他の家族はどうだったのか、詳細は分からなかったのですが、アレルギーもない方だったそうで、本当にお気の毒なことでした。貝もほどほどにした方が良さそうです。たとえ少々毒があったとしても、やはり量の問題です。有名な坂東三津五郎さんのふぐ中毒も、召し上がり過ぎたのが良くなかったのかと思います。

ギョウジャニンニクとスズランの取り違えも春の事故でよく聞きますね。春の山菜採りの際には香りを確かめて。