無知の知

ほたるぶくろの日記

夏に向けて

2016-07-19 07:58:48 | 日記

前回日本酒に凝っていることを書きましたが、その後日本酒探索は進んでいるかといいますと、さっぱり。残念ながらなかなかその時間がとれないのが実際のところです。

あそこに行こう、という場所は決まっていますが、帰りにちょっと寄る時間が今のところありません。お付き合いの席などはありますし、家族とも出かけたりします。仕事仲間とは出張先で食事をしますが、なかなか自分だけで日本酒を探索する、というわけにもいかず。

まあ、気長に機会を狙っています。まずは生もと造りのお酒と、そうではないお酒の良いものを選んでもらって飲み比べてみます。何か感じることができるのかどうか、とても楽しみです。

ところでその後、酒粕、甘酒など伝統の醗酵食品、飲料についても調べています。いわゆる「酵素飲料」などと呼ばれている果実と水を混ぜてその辺りに放置しておくものも一種の醗酵食品です。どうしてこの手のものが「酵素」と呼ばれるようになったのでしょう?

日本酒の製法の影響でしょうか。明治に入り、生もと造りの最初の工程、山卸しを麹菌のアミラーゼ液(酵素液)を混ぜることで代替できる、ことが発見されました。このことは醗酵に関わる方々の間では衝撃的だったと思います。『酵素』がようやく単離された頃に、何らかの物質が麹菌から出て、米が柔らかく糖化していくことを予想した方は素晴らしいですね。

ともあれ、麹菌(カビの一種)、酵母(これもカビの一種)、乳酸菌、硝酸還元菌、など野菜や果物、水など自然環境中に存在する微生物が穀類(米、麦など)、野菜、果物、魚や肉を消化分解したものは全て発酵食品です。

その中にはペプチド、アミノ酸、糖、の他に微生物の生成するビタミン、香りの成分、が含まれます。さらに菌体自身も存在しています。菌体とはセルロースと様々な菌に特徴的な糖鎖、脂肪酸を指します。この辺りが免疫系の活性化に重要とおもわれる成分。

発酵食品が健康食品として重要な理由は、食材が分解されてペプチド、アミノ酸、糖ができ、旨味が増す点ではなくて、様々なビタミン類と菌体成分だと思います。微生物はそのときに生きている必要はありません。彼らがつくり出したこれらの成分が腸内の環境に影響します。具体的には免疫系細胞の活性化、それら細胞から分泌されるサイトカインが腸内の血流などに影響すると考えられます。

腸内環境が健全な腸内細菌叢を養い、腸内の微生物的環境が良くなり、免疫系の活性化が起こることで全身の健康状態が良くなります。これは健康の保持、だけではなくもう少し踏み込んで言うならば、様々な病気の治療を援助することにもなるでしょう。

効いているのかどうか分からないような「生活習慣」が遠い未来へ影響します。食べることは本当に大事です。