日本海側の山岳では天候が急変することが多く、朝のうち晴れていて昼頃から暴風雨、または猛吹雪になることがあります。
そのようなときに気象遭難が多発します。こうしたリスクを予想するには事前に予想天気図を確認することが大切ですが、登山中に雲の変化から天候悪化を読み取ることができます。
今回は、天候が急激に悪化するときの典型的な雲の変化について解説します。
疑似好天の朝(3月8日)。嵐になる4時間30分前。西の空に巻層雲が広がっているが、この段階では急激な天候変化の兆しはない。
西の空に組織的な積乱雲の端が(上端が毛羽だっているのが特徴)。さらにその前面に積雲が現れる。このわずか1時間後に、嵐になる。
嵐になる40分前の空。上端が毛羽だっている雲が先ほどより接近し、その下の雲の底がさらに暗くなる。
嵐になる30分前の空。いよいよ雲の暗い部分が接近してくる。
嵐になる20分前の空。
嵐になる10分前。雲からレースのように垂れ下がっている部分、降雪雲(降水雲)が見られる。
嵐になる5分前。すぐ近くまで降雪雲が迫る。
激しいアラレが降り出し、雷鳴も。
アラレの後は吹雪に。
文、写真:猪熊隆之(株式会社ヤマテン)
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