3月28日(月)は全国的に不安定な天気となり、各地でにわか雨が降った他、東京などではひょうも降りました。ここ八ヶ岳周辺でも午前中の好天から一転、午後は標高の高い場所で降雪となりました。このような天候の急変を雲の変化から察知していきましょう。
さて、上の天気図を見ると、日本付近は日本海側を中心に日本の東海上と中国大陸東岸にある高気圧を連なる高圧帯に入っています。つまり、好天が続く気圧配置です。
このため、朝から青空が広がりましたが、午前早い時間から山の方にはもくもくとした積雲が湧き立ってきました。まるで夏のような光景です。このような雲が朝のうちから現れるときは大気が不安定な証拠です。雲がやる気を出していくかどうか注意します。
時間とともに、雲は上方に成長していきました。雲がやる気を出している状態です。
さらに、雲は発達を続け、雲の中に真っ暗な部分がでてきました。このような雲は雷を発生させる可能性があります。高いところから、低いところや車の中、建物の中に避難しましょう。
山の中でこのような雲が出てきたときは、雷や沢の増水、落石、土砂崩落などのリスクが少ない場所に避難することをおすすめします。
さて、このように雲がやる気を出す原因については観天望気講座77 http://blog.goo.ne.jp/yamatenwcn/e/d8d91a3876370b0670790c4b3b078e43 で解説しておりますので、参考になれば幸いです。
今回は、上層の寒気が雲のやる気を出させてしまいました。
上の図は500hPaという高度約5,500m付近の天気図です。赤い線は-24℃の等温線で上空に強い寒気が入ってきていることが分かります。目安となる等温線は季節により異なり、真冬は-36℃や-30℃、この時期は-27℃になります。日本付近は-24℃以下の寒気に覆われて輪島や潮岬の気温は-28℃以下となっています。このようなとき、地上付近の気温が上昇したり、湿った空気が入ると雲はやる気を出してしまうのです。
雲がやる気を出したときの観天望気講座は過去にも説明しておりますので、参考にしてください。
観天望気講座75
http://blog.goo.ne.jp/yamatenwcn/e/2ad54953e87c9aa02a50f56d3f5850ee
※図:気象庁提供
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写真、文責:猪熊隆之