ひつじの群れのような雲が空に広がることがあります。この雲を高積雲(こうせきうん)、またはひつじ雲と言います。一方、空一面にムラのない、一様な灰色の雲が広がることがあります。この雲を高層雲(こうそううん)、またはおぼろ雲と呼びます。おぼろ雲は太陽がおぼろげに見えることから名づけられました。
ひつじ雲がおぼろ雲に変わっていくようなとき、天気が崩れることが多くなります。4月18日は、まさにそのように雲が変化した日でした。
写真1 朝、長細いタイプの高積雲が現れる
写真1のように、雲がいくつも平行に並んでいるのは、空気中に重力波と呼ばれる波が発生するからで、このような高積雲を波状高積雲と呼びます。重力波によって雲ができる仕組みについては104回の観天望気講座をご参照ください。
https://blog.goo.ne.jp/yamatenwcn/e/aacf74d5655eb3aa18757eaae0cc8f00
写真2 次第に空を埋め尽くすようになる高積雲
高積雲は写真1のように、空の一部分だけ現れているときには、天気が崩れることは少ないのですが、写真2のように全天に広がり、特に西側の空に隙間がない状態だと、天気が崩れていくことが多くなります。
写真3 高積雲に隙間がなくなり、高層雲に変わっていく
高積雲が塊状の雲に対し、高層雲は全天を覆う、切れ間のない雲です。通常はムラのない写真4のような雲になりますが、今回は大気が乱れていて、ムラのある高層雲になりました。
写真4 ムラのない高層雲
写真5 西側の空がさらに暗くなり、乱層雲(雨雲)に変わっていく
写真5のような空になると、まもなく雨が降り出します。
天気が崩れるパターンはいくつかありますので、ひとつずつ覚えていきましょう。
文・写真:猪熊隆之
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