今日は巻雲がたくさん出て、秋らしい空になっています。そこで、巻雲について問題形式で学びましょう。
そこで、問題です。
上の写真に巻雲がありますが、赤い丸印で囲んであるところと緑の丸印で囲んであるところがあります。どちらかが雲が発生した場所で、もう一方が雲が蒸発しながら消えているところですが、みなさんはわかりますか?答えは一番下にありますので、わからない方はご覧ください。
次の問題です。
下の写真でも巻雲があります。写真の右側が南東方向、左側が北西方向です。赤い丸印で囲んである巻雲と緑の丸印で囲んである巻雲から、それぞれの場所の上空の風の流れを考えてみましょう。答えは一番下にありますので、わからない方はご覧ください。
最後の問題です。これらの雲は晴れ巻雲でしょうか?雨巻雲でしょうか?答えは最後(一番下)にあります。
最初の問題の答え:
赤い丸印:雲が発生している場所
巻雲が濃くなっている部分で雲は発生しています。
緑の丸印:雲が蒸発しながら消えていく場所
筋のように見える場所は、雲が下降しながら蒸発して消えていっている場所です。雲の気持ちになってイメージしてみましょう。
次の問題の答え:
赤い丸印:右手前から左奥に雲が蒸発しながら流れていますので、右が南東、手前が南西ですから、南から北へと流れています。
緑の丸印:逆に左奥から右手前方向に雲が蒸発しながら流れていますので、北から南へと流れています。
最後の問題の答え:晴れ巻雲
最初の問題の巻雲が乾いた感じのする雲で、かぎ状にも屈曲していないので晴れ巻雲。また、次の問題では赤い丸印の雲は南から北に流れており、やや屈曲しているので、上空の風の速度が屈曲部で異なっていることも考えられ、雨巻雲の可能性が高いですが、緑色の雲は北から南へ流れており、乾いた感じの屈曲部が少ない巻雲です。こちらの方が主流と考えられますので(雲のボリューム等から)、晴れ巻雲とみて良いでしょう。
実際、この後、巻雲は量が少なくなりながら東の空へと移動していきました。このようなときは、天候の影響のある巻雲ではありません。
ただ、晴れ巻雲でも天気が崩れるときがあり、雨巻雲でも晴れることもあります。天気図や衛星画像など、ほかの要素も一緒に見なければ、天気の予想は難しいでしょう。それでも、雲を見て、天気図には現れないような天気変化を発見できることもあり、雲の観察は安全登山にとって重要です。
文責:猪熊
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