この講座もいつの間にか70回目を迎えました。ご覧いただいている皆様、ありがとうございます。
68回と69回は、「山の天気ハイキング木曽駒~空木岳3日間」の間に見ることができた雲についての解説でした。
さて、今回は車山で見られた見事な日暈(ひがさ、にちうん)についてです。
上の写真で、太陽の周りに美しい光の環が出来ています。このような光環を日暈と言います。日暈は、雲を構成している氷の結晶を太陽の光が通るときに、光が氷の結晶で屈折することによってできます(下図参照)。上の写真で光の環ができている周辺はぼやっとした薄い雲が広がっています。
このような雲を巻層雲(けんそううん)または薄雲(うすぐも)と呼び、高い高度にあるので、水滴ではなく、氷の粒でできています。この粒が六角形で、なおかつ結晶が色々な方向を向いているときに、この光の環ができます。
日暈には上の写真のように太陽を中心とした半径22度の円としてできる内暈(ないうん、うちがさ)とそれより外側にできる半径46度の円、外暈(そとがさ、がいうん)があります。太陽の光が六角形の氷の結晶をどのようにして屈折していくかによって、どちらになるかが変わってきますが、普段見ることができるのは、圧倒的に内暈が多いです。外暈が見られあなたはラッキーです!!その日はいいことがあるかもしれませんね。
※図、文章、写真の無断転載、転用、複写は禁じる。 文責:猪熊隆之