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「よみがえれ、哲学」 竹田青じ、 西研著  NHKブックス

2006-07-09 | 読書(芸術、文学、歴史)
竹田氏は、47年生まれ、西氏は57年生まれと10歳違うが、ともにヘーゲル、フッサールなどを若い頃から一緒に読んできた友人でもあるらしく、論旨を補いあいながら和気藹藹の書となっている。
最後の2つの章である「現代社会を射程において」と「よみがえれ、哲学」において、著者は大雑把に言うと以下のような主張をしています。

「自由の相互承認」を土台とするフェアで自由なゲームとして、個人や国家が成立するのが近代社会である。 近代以降、人間は、「労働=必要」の契機から解放されたときに成立する人間の「自由な活動空間」を創設し徐々に広げてきたが、この近代人の手にした「自由」は一方で人間を苦しめもする。 しかし、資本(マネー)のゲームに対する文化(自由)のゲームの質と割合をさらに高めていくことこそが充実した人生を生きることである。 現代社会には、国家間の貧富の差や環境問題、日本でも少子高齢化や教育問題、格差など身の回りには問題が山積している。 このような現在の国民国家と資本主義を、より成熟した市民社会に変えていくには、「初期条件の平準化」「敗者復活のシステム」「社会的流動性の確保」の3つが必要である。

随分大雑把な感想で著者には申し訳ないですが、哲学者(という職業がまだあるとして)って今何考えているの、と興味をお持ちの向きはいい入門書かもしれません。
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