日本の国家予算や行政の異様さは、一般会計の5倍近い「特別会計」にあるという指摘は、2003年に当時の財務大臣だった塩爺こと塩川正十郎大臣が、「母屋では粥をすすっているのに、離れでは子供たちがすき焼きを食べている」という言葉で「特会」の異常さを指摘して以来、初めて表に現われた。 そして、近年では、財政投融資特会や外為特会の「埋蔵金」が、元大蔵省キャリアである高橋洋一氏や上げ潮派の中川元自民幹事長に指摘され、10兆円を超えるお金が一般会計に繰り込まれるに及んで、「埋蔵金」の存在は、公の下に晒された。
本書「亡国予算」は、その特会の現状と、それを温存する行政の構造を数字を駆使して、徹底的に暴露してみせる。 2008年度の予算を見ても、一般会計83兆円に対し、特別会計が364兆円(相互間のお金の出し入れを差し引いても178兆円)という膨大な額の歳出が、国会の審査をまともに受けることもなく、省庁の裁量で行われている。一般会計から、特会に繰り入れられる額は、国債、年金、地方交付税の3特会を主として58%にも上るというのは全く主客が逆転した異様な予算構造で、世界的にも例がない。
そしてこれらの特会の資産は、国民・厚生年金の130兆円を筆頭に財投、外為、地方交付税、道路などを中心に190兆円に及ぶ。そしてストック分で50兆円、毎年のフローとしても10兆円の余剰が出ているというから、正に金余りの状況といっていい。 こんな現状が暴露されつつも、財務省や自民党は、埋蔵金はせいぜい1,3兆円といっているという。
特会の中には、500億円をかけて誰も利用しない旧「スパウザ小田原」や京都の「私の仕事館」を作った悪名高い厚生労働省管轄の「労働保険特会」(そこから雇用・能力開発事業団に拠出されたお金で建設)。 年間5兆円を超える自動車関連諸税から特定財源として、国土交通省管轄の「社会資本整備特会」を通して、独立行政法人や民営化された道路公団関連会社、地方の道路建設費用の交付金としてばら撒かれる巨額のお金も含まれる(これが道路族や官製公共事業の利権の巣窟と化している。) また、経産省にも毎月の電気料金にかけられる「電源開発促進税」(1kWhあたり37.5銭というから、電気代を1kWh=20円として約2%)をプールして、原発や石油開発事業団、宇宙開発事業団につぎ込まれる「エネルギー対策」特会がある。 高速増殖炉「もんじゅ」の開発を行った核燃料サイクル開発機構(今は解散)は、2兆円以上の欠損を出し、それが国民の知らないところで、この特会からの出資で穴埋めされているという。
このように、この本を読めば読むほど、無茶苦茶といっていいほどに異様で杜撰な「特別会計」の実態が明らかになる。 やはり誰かに「日本の大掃除」をしてもらい「官製国家」から脱却しないと、「亡国」への道をまっしぐらであろう。
本書「亡国予算」は、その特会の現状と、それを温存する行政の構造を数字を駆使して、徹底的に暴露してみせる。 2008年度の予算を見ても、一般会計83兆円に対し、特別会計が364兆円(相互間のお金の出し入れを差し引いても178兆円)という膨大な額の歳出が、国会の審査をまともに受けることもなく、省庁の裁量で行われている。一般会計から、特会に繰り入れられる額は、国債、年金、地方交付税の3特会を主として58%にも上るというのは全く主客が逆転した異様な予算構造で、世界的にも例がない。
そしてこれらの特会の資産は、国民・厚生年金の130兆円を筆頭に財投、外為、地方交付税、道路などを中心に190兆円に及ぶ。そしてストック分で50兆円、毎年のフローとしても10兆円の余剰が出ているというから、正に金余りの状況といっていい。 こんな現状が暴露されつつも、財務省や自民党は、埋蔵金はせいぜい1,3兆円といっているという。
特会の中には、500億円をかけて誰も利用しない旧「スパウザ小田原」や京都の「私の仕事館」を作った悪名高い厚生労働省管轄の「労働保険特会」(そこから雇用・能力開発事業団に拠出されたお金で建設)。 年間5兆円を超える自動車関連諸税から特定財源として、国土交通省管轄の「社会資本整備特会」を通して、独立行政法人や民営化された道路公団関連会社、地方の道路建設費用の交付金としてばら撒かれる巨額のお金も含まれる(これが道路族や官製公共事業の利権の巣窟と化している。) また、経産省にも毎月の電気料金にかけられる「電源開発促進税」(1kWhあたり37.5銭というから、電気代を1kWh=20円として約2%)をプールして、原発や石油開発事業団、宇宙開発事業団につぎ込まれる「エネルギー対策」特会がある。 高速増殖炉「もんじゅ」の開発を行った核燃料サイクル開発機構(今は解散)は、2兆円以上の欠損を出し、それが国民の知らないところで、この特会からの出資で穴埋めされているという。
このように、この本を読めば読むほど、無茶苦茶といっていいほどに異様で杜撰な「特別会計」の実態が明らかになる。 やはり誰かに「日本の大掃除」をしてもらい「官製国家」から脱却しないと、「亡国」への道をまっしぐらであろう。