日経メディカル(日経BP社)12月号の特集、『今冬のかぜ診療○と×』において、インフルエンザ「ワクチンは効く?耐性株の流行は?」(p44-45)の欄に取り上げられていた、今年のワクチン製造株効果についての見解を要約し御紹介する。今シーズン接種済の方、未接種の方ともに御参考にして頂きたい。
今冬、2014/15シーズンのインフルエンザワクチン製造株の構成は、A/カリフオルニア/7/2009(X -179) (H1N1)pdm09、A/ニューヨーク/39/2012(X-223A)(H3N2)、B/マサチューセッツ/2/2012 (BX-51B)であり、2013/14シーズンのA/テキサス/50/2012(X-223) (H3N2)から、A/ニューヨーク/39/2012(X-223A)(H3N2)に変更になった。そして国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長、小田切孝人先生は、今シーズンのワクチンは製造株と流行株の抗原一致率が高く、大いに効果が期待できると語っておられる。示された準拠は以下の通りである。
近年H3N2亜型株は、シーズンのワクチン株として選定したウイルス原株からワクチン製造株に作成する過程で、卵馴化による抗原性変異を特に起こしやすくなっていることが指摘されている。本年11月28日までに全国で分離、検出されたインフルエンザ110例中99例がH3N2亜型株であり、本年がH3N2亜型株の流行年となることを踏まえ、より抗原性の変化が小さい株を探索した結果、A/ニューヨーク/39/2012(X-223A)(H3N2)への変更が決定された。そして2014年3~8月の流行株と原株の抗原一致率100%、製造株と流行株の抗原一致率82%で、抗原性の変化が小さいことが立証されている。
また元九州大学先端医療イノベーションセンター特任教授、久留米臨床薬理クリニック顧問の池松秀之先生は、シーズン途中にワクチンの効果が失われるか?という点に関して、ワクチン接種後に多くの人で半年後も感染防御水準以上の抗体価が保たれており、防御効果は十分継続していると考えられること、現行のワクチンが発症を抑制し、重症化予防も期待できるが、感染そのものを予防する効果には限界があることをこの中で述べておられる。
今冬、2014/15シーズンのインフルエンザワクチン製造株の構成は、A/カリフオルニア/7/2009(X -179) (H1N1)pdm09、A/ニューヨーク/39/2012(X-223A)(H3N2)、B/マサチューセッツ/2/2012 (BX-51B)であり、2013/14シーズンのA/テキサス/50/2012(X-223) (H3N2)から、A/ニューヨーク/39/2012(X-223A)(H3N2)に変更になった。そして国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長、小田切孝人先生は、今シーズンのワクチンは製造株と流行株の抗原一致率が高く、大いに効果が期待できると語っておられる。示された準拠は以下の通りである。
近年H3N2亜型株は、シーズンのワクチン株として選定したウイルス原株からワクチン製造株に作成する過程で、卵馴化による抗原性変異を特に起こしやすくなっていることが指摘されている。本年11月28日までに全国で分離、検出されたインフルエンザ110例中99例がH3N2亜型株であり、本年がH3N2亜型株の流行年となることを踏まえ、より抗原性の変化が小さい株を探索した結果、A/ニューヨーク/39/2012(X-223A)(H3N2)への変更が決定された。そして2014年3~8月の流行株と原株の抗原一致率100%、製造株と流行株の抗原一致率82%で、抗原性の変化が小さいことが立証されている。
また元九州大学先端医療イノベーションセンター特任教授、久留米臨床薬理クリニック顧問の池松秀之先生は、シーズン途中にワクチンの効果が失われるか?という点に関して、ワクチン接種後に多くの人で半年後も感染防御水準以上の抗体価が保たれており、防御効果は十分継続していると考えられること、現行のワクチンが発症を抑制し、重症化予防も期待できるが、感染そのものを予防する効果には限界があることをこの中で述べておられる。