
八十三 冬瓜│「四季の花」夏之部・四, 芸艸堂, 明治41年
冬瓜皮(トウカヒ)は、ウリ科、トウガン属の蔓性の一年草、トウガン(冬瓜)、学名Benincasa hispida (Thunb.) Cogn.の果実の果皮から得られる利水滲湿薬に分類される生薬である。薬性は甘、凉、帰経は肺・脾・小腸経で、効能は利水消腫、清熱解暑である。配合する方剤に冬瓜湯がある。果実は生薬のみならずスープや煮込み料理の食材として利用される。冬瓜(とうぐわ、とうがん)は秋の季語である。
トウガンの成熟種子から得られる生薬は冬瓜子(トウカシ)、冬瓜仁(トウガニン)である。薬性は甘、微寒、帰経は肺・大腸経で、効能は清肺化痰、利湿排膿である。配合する方剤に大黄牡丹皮湯、腸癰湯がある。
冬瓜やたがひに変る顔の形(なり)
西華集 芭蕉
