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祇園祭、宵々山にあたる土曜の週末に、京都市内で週末に開催された「補聴器相談医資格更新のための講習会」に参加した。会場は京都府立医科大学付属図書館で、講習会開始までの時間を生かして近隣の蘆山寺、梨木神社に参拝した。廬山天台講寺は天台宗圓浄寺系の本山で、御本尊は阿弥陀如来である。紫式部の邸宅跡としても知られ、源氏庭と名付けられた庭には苔地州浜に植栽された紫の桔梗が今や真っ盛りである。濡れ縁に腰掛けて桔梗を眺めていると爽やかな風が吹き抜けてゆく。大暑を控えた酷暑の季節であるから余計に涼しさが感じられるのだろう。夏は夏らしく、夏に涼風ありである。
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桔梗は根が化痰止咳平喘剤に分類される生薬となる。効能は宣肺祛痰、利咽、開宣肺気、排膿消腫である。
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蘆山寺に程近い梨木神社は、三条実萬公、実美公が御祭神である。いまだ花開いてはいないが、萩の宮と称される萩の名所である。境内の一隅、染井の井戸の傍らには、当院エントランスの桂の木よりもはるかに豪壮な桂の大木が生い茂っている。幅の広い卵円形の葉は秋に黄葉となり、乾燥すると特有の香を漂わせる。
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