台風一過を昔、音の響きだけで台風ファミリー(一家)だと思っていたことを、テレビで流れる台風情報を見てぼんやり思い出しました。
空模様とにらめっこしながらのキャンプとなりましたが、集まった子どもたち7名と自然の力を感じつつ、1泊2日の活動を無事に終えることができました。
2日間の活動の様子をお届けいたします。
2014年8月11日(月)天気:台風→温帯低気圧=不安定
前日よりキャンプの準備をしていたスタッフの頭を悩ませていたのが台風ご一行様。
色々と宿泊場所やスケジュールを組み替え、スタッフを配置し、食事の買い出しに走り、当日を迎えました。
キャンプ当日。胆振地方は早朝まで発令されていた大雨暴風警報が、朝7時前には解除となり、札幌からの参加者を運ぶJRも通常通り運航予定とのこと。
スタッフ間で協議をした結果、できることをやれるところまでやろう!ということで活動を進めることといたしました。
札幌・苫小牧・登別・室蘭から集まった子どもたち7名が合流。
ウトナイ湖畔でオリエンテーションをしました。雨は止んでいたものの、この時点では帽子が飛ばされそうなほど強い風が吹いていました。
木道の途中にある東屋で今回のキャンプスケジュールについて作戦会議。
今回のキャンプは苫小牧縦断がテーマです。
本来の予定は1日目に美々川を下り、苫小牧市内の森に1泊。2日目は海を目指してウォークというスケジュールでしたが、この風の中で川を下るのは危険です。
天気図をチェックしても風が強く、不安定なお天気。
みんなで相談した結果、2日目に予定していた海までウォークを1日目に、川でのボートを2日目とし、縦断の中間地点をポイントに上い半分・下に半分のハーフ&ハーフで目標達成を目指すことになりました。
と、いうことでウトナイの道の駅でお昼を済ませ、まずは海を目指します。
ウトナイの道の駅にある双眼鏡をのぞいてみました。
逆にして覗いてみると対象物が小さく見える!という大きな発見に興奮気味な子どもたちの図です。
では、ウトナイの道の駅からスタート地点となる静川地区へジャンプしてワ―プ!!
スチャッ!着地成功☆
では、ここから海までウォークのスタートです。
距離にして約5キロ強の道のりを歩いて太平洋を目指します。
地図でコースを確認し、車が来た時などの注意事項を連携して歩き始めました。
歩いている途中、いろんな美味しいものを発見。
ヤマブドウ、今年は豊作かな?
去年は当たり年でたくさんなっていたコクワ。今年はどうですかねー?
野イチゴは今がシーズン真っ盛り。赤く色づき甘酸っぱくて美味しいです。
途中、通り雨に当たりましたが、リュックに入った合羽をすぐに装着。事なきを得ました。
雨にぬれても風が吹いているのですぐに合羽についた雨も乾いてしまいます。
台風の風は厄介者だと思っていたけれど、思わぬところで役に立ちました。これはすごい発見です。
歩き続けること約1時間30分。「海だー!」と見えてきた太平洋に子どもたちのテンションも上がります。
残念ながら波が高く、海での水遊びとはなりませんでしたが、波打ち際ダッシュで盛り上がり、海の宝物探しでいろんなものを見つけることができました。
重たそうな袋を持って歩く少年を発見。何が入ってるの?と聞いてみると「海岸でキレイな石を見つけたから洗って持って帰る」とのこと。
(このあと、しっかり電車で札幌まで持ち帰りました)
1日目に海を見るという今回のキャンプの第1ミッションをクリアした子どもたちは、ベースキャンプであるいぶり自然学校へ向かいました(当初の予定は和みの森でのテント泊でしたが、気象状況を考慮し変更いたしました)
いぶり自然学校に着いた途端、ザーッという音を立てて激しい雨が。
ふぅ、歩いてるときに降らなくて良かったですねー。これもみんなの日ごろの行いでしょうか。
合羽を干し、寝床の準備をしたらお風呂屋さんに行く準備をしました。
ここでピンポイントピンチヒッター登場!男の子の参加者が多い今回のキャンプで、お風呂のお世話をしてもらうお風呂番長・ミヤさんが来てくれました。
ニュー銭湯・豊川さんに到着。
子どもたちはおうちの人から預かってきた140円を手に自分で入浴料を支払います。
おうちのお風呂ではなく、地域の銭湯。こうした地域のお風呂屋さんに行く経験は日常的にはあまりないのではないでしょうか。
泡をつけたまま脱衣所に向かう子どもに「どれどれ、こっちおいで」と声をかけてくれ、キレイに泡を洗い流してくれたり、髪を乾かすのを手伝ってくださった一般のお客さん。優しく親切に子どもたちに接してくださった番頭さん。
きっと少し前にはこうしたやりとりがフツーに繰り広げられていたんだろうな、と思います。
子どもたちにとってもとても刺激的な経験になりました。
こうして親切にしてもらったことが、子どもたちの次の行動に反映されていくことと信じています。
心も体もほっこりと。みんなで一日の疲れを癒しました。
戻り来たしいぶり自然学校では晩ご飯の準備中。
「何か手伝うことある?」と声をかけてくれたので、デザートのフルーツヨーグルトづくりを手伝ってもらいました。
たくさん歩いてお風呂に入ってお腹もぺっこぺこ。
みんなそろっていただきまーす!
ご飯を食べた後は、指相撲や腕相撲大会をしたり、本を読んだり自由時間を過ごし、
2日目の予定と持ち物の確認をしました。
2日目は川を下るのではなく、ボートで川を漕ぎあがること。
朝、起きたら準備すること。
起きる時間、ご飯の時間、出発の時間。
みんなで確認して、1日目の活動終了です。
2日目の川登りに備えてこの日は早めの就寝となりました。夜のライト遊びも楽しみつつも、すぐに寝息を立てていたようです。
2014年8月12日(火)天気:台風一過の日本晴れ
2日目の朝を迎えました。
前日に確認した通り、自分の寝袋などをしまい、持ち物の準備をしていきます。
朝ごはんをしっかり食べ、自分の荷物の整理、遊ぶときの持ち物の準備が終わった子から、昼ごはんに食べるおにぎりを作りました。
準備が整ったらいざ、川登りの活動場所・美々川に出発です!
ここで昨日の海までウォークの現場に時間をちょっとさかのぼり、再び美々川までワープ!!とぉうっっ!!
ワープ成功!無事、みんな美々川のカヌーポートに瞬間移動してきました。
しかも、ワープの際に一人メンバーが合流。
札幌まるやま校で活躍しているディレクター・カツオがここから参戦です。
みんなで交代しながらボートを膨らまし、
ライフジャケットをつけ、パドルの使い方、川に落ちて流されてしまったときの行動の仕方などを教わり、
さぁ、いよいよ縦断キャンプ後篇・美々川遡上の旅の始まりです。
うえちゃん号となっちゃん号は赤いゴムボート。
やまちゃん号はカヌーで進みます。
カヌーポートでパドルの使い方を練習して、出発しました。
途中、おやつを食べたり、お水を飲んだり、バナナを食べたり休憩も楽しみながら。
鳥や魚も見ましたが、いちばんたくさん遭遇したのは新千歳空港から出発する飛行機でしたね。
AIR do、ANA、JAL、スカイマーク、ジェットスター、ポケモンジェットも見送りました。
ボートを漕ぎ進めること約1時間40分。ゴールが見えてきました。
車をスタート地点からゴール地点に運んでくれていたカツオが橋の上でおかえりー!と手を振ってくれました。
普段は見ることのない橋の下からの風景を楽しみながら間もなくゴールです。
1日目とは一転、風は時より強めに吹く程度で、船が大きく揺れたり転覆したりすることもなく(むしろ、ゴムボートは追い風によってスイスイ進めたくらい)、ゴールにたどり着くことができました。
ハーフ&ハーフで挑んだ縦断キャンプ、目標達成です!!
自分で握ったおにぎりを食べた後は、ボートに乗って遊んだり、川で泳いで遊んだりしました。
お留守番だったカツオさん。午後からはカヌーで遊ぶ姿も。
美々川カッパ隊が出現!アオガッパ・キガッパ・オレンジガッパが出ました。
船V.S.カッパ隊の図。
たっぷり川遊びを満喫することができました。
濡れたものを着替えて、最後はウトナイ湖鳥獣保護センターでちょっと休憩をし、この2日間の活動をふりかえり。
歩いたことが楽しかった。
海で見つけた石にはいろんな色や模様があったのが新しい発見だった。
ボートに乗ったのがおもしろかった。
子どもたちからもらった感想と、2日間を振り返っての満足そうな笑顔がとても印象的でした。
台風が接近している中での活動に、保護者の方々、関係者の方々にはご心配をおかけした面もあったかと思いますが、ありのままの自然を体感する活動を、子どもたちの様子も見ながら、進められたことを嬉しく思います。
台風一過の清々しい天気のように、帰っていく子どもたちの顔にさわやかな笑顔を見ることができほっとしています。
ご理解とご協力をいただき、本当にありがとうございました。
また、活動に際し、急な変更やお手伝いの依頼にも関わらず、快くご対応いただいたスタッフの皆様にも改めてお礼を申し上げます。
色んな人に支えられて、子どもたちに安全かつダイナミックな夏休みの思い出を作ることができたと感じています。
天気もエキサイティングに楽しめるキャンプもおもしろいですね(毎回だとちょっと大変ですが…)
これにていぶり校の夏休みキャンププログラムは終了です。
9月からは通常の月例プログラムを再開いたしますので、また一緒にいぶりを楽しむキャンプに出かけましょう☆
いぶり校 山田由美子(やまちゃん)/上道和恵(うえちゃん)