夏は
ぼくの夢をやわらかく砕く
失った欠片ばかりが
空を浮遊している
ひかりの交信は途絶えたまま
夜空の星はもう追わない
指にとまった
ナナホシテントウムシの
小さな星を数える
水のなかで息を継ぎながら
ひとの優しさも知った
プールでそっと触れた手は
水よりも冷たかった
背中で浮かんだままで
もうすぐ終わってしまうものがあることを
光る雲を追いながら考える
たぶん明日もまた
あの空から始まるのだろう
夏は
ぼくの夢をやわらかく砕く
失った欠片ばかりが
空を浮遊している
ひかりの交信は途絶えたまま
夜空の星はもう追わない
指にとまった
ナナホシテントウムシの
小さな星を数える
水のなかで息を継ぎながら
ひとの優しさも知った
プールでそっと触れた手は
水よりも冷たかった
背中で浮かんだままで
もうすぐ終わってしまうものがあることを
光る雲を追いながら考える
たぶん明日もまた
あの空から始まるのだろう
いつまでも暑いですね
40度はおどろきでした
どこまで暑くなるんでしょうね
頭を使うと脳も発熱するそうですから
なるべくぼんやり過ごすことにしています
スマホもパソコンも熱がってます
もはや言葉で遊ぶのも無理かもしれません
とくに長いものや暗喩だらけの詩はスルーしたい
挫折や敗北の詩はマイルドにして
恋の詩はクールなものを
かき氷のような詩があれば溶けてみたい
川を流れて海に抱かれて
ただぼんやりと浮かんでいたい
背中を潮が流れていきます
空には雲が流れていきます
あれもこれも流れていきます
「地球さま
永いことお世話さまでした」という
婆さん蛙の短い挨拶を聞きながら
「さやうなら」
と眠りに落ちてゆきます
夢の中まで蝉しぐれ
もう限界です
地球さま
* * * * * * * * * * * * *
草野心平の詩『婆さん蛙ミミミの挨拶』から一部引用しました。
以下が、その全詩行です。短いです。
地球さま。
永いことお世話さまでした。
さやうならで御座います。
ありがとう御座いました。
さやうならで御座います。
さやうなら。
あさ
あさがおの花が咲いた
どれも「あ」と
大きな口をあいてるようだ
それぞれの口から
それぞれの「あ」がきこえてくる
あさだよっの「あ」
おはようの「あ」
あっまちがえたの「あ」
あついようの「あ」
あなたの「あ」
あも〜れの「あ」
あっぷるぱいぱいの「ぱ」
あほんだらの「あ」
あ~あの「あ」
あれの「あ」
あとはあしたの「あ」
あしゅら
ゆうがた
みじかく饒舌な一日をあさがおは
「ん」でとじる
あしたの「あ」のために