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風の記憶

≪記憶の葉っぱをそよがせる、風の言葉を見つけたい……小さな試みのブログです≫

ガリガリ君の夏が終わらない

2019年09月09日 | 「新エッセイ集2019」
もう秋だというのに、いつまでも暑い。
週間予報でも、この暑さはまだまだ続くという。だが逃げ出すわけにもいかない。

いつでも冷たい氷と水があり、ときどきはアイスもある、アイスを愛す人間としては、暑いときは冷蔵庫はありがたい。なのに冷蔵庫というのは、暑い季節に壊れるものなのだろうか。
夏はなんとか乗り切ってくれたが、だいじな冷凍機能が夏バテになってしまったみたいだ。
庫内の温度調節を最強にしても、ガリガリ君が弱ってザリザリ君になってしまう。仕方なく急いで食べようとしても、ぐしゃぐしゃになって棒から落ちてしまう。これは夏の悲哀だった。

冷蔵庫が新しくなってみると生活まで一新されたようで、すぐさま新参モノに惚れこんでしまった。
よく凍る、よく冷える。キッチンの同じ場所で、その役割はそのままに引き継がれているのだから、わが家の生活にそれほど変化があるわけではない。
それでも機能や構造が少し変わっただけで、新しくつくられる氷と水も、より一層おいしくなったように錯覚してしまう。

ただ、ガリガリ君にとっては受難だった。
いちど溶けかかったガリガリ君が、こんどは新しい冷蔵庫の中で、歯がたたないくらいのカチカチ君になってしまったのだ。
ひたすら夏を愛するアイス君も、長すぎる夏と新しい環境の変化に戸惑ってしまったようだ。
ガリガリ君には、もうしばらく頑張ってもらいたい。ぼくもガリガリしながら頑張るから。


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