詩歌探究社「蓮」は短歌を中心とした文学を探究してゆきます。
雲流れ我も流れて行き先は風の墓場のベーリング海
(萩谷孚彦 未発表)
…その羽はどうして輝くばかりの緑金色なのか、
その前で息をのみ、ほとんど涙ぐまんばかりに足をとどめた事も一再ではなかった。
この世ならぬもの…
短歌がこの美を摑むことは出来ないものだろうか。
(中井英夫『黒衣の短歌史』)
べつべつの行き先ならん 機のうちのわれと夜窓に映りいるわれ
(岡 貴子)
※日本歌人クラブ開放「風」189号・平山公一選
蓮の丈日に異(け)に伸ぶを通勤の窓にたしかめ笑みこぼれけり
(村田奈菜子「ひとであるなら」「蓮」4号)