詩歌探究社 蓮 (SHIIKATANKYUSYA HASU)

詩歌探究社「蓮」は短歌を中心とした文学を探究してゆきます。

詩歌採集 その158 大政我風

2015-10-31 02:52:09 | 詩歌採集




   母がゐてただそれだけの夏座敷

     (大政我風「母恋恋情」)
     ※「蓮」5号



詩歌採集その157 山中もとひ

2015-10-30 07:27:33 | 詩歌採集





川水が満ちゆくように夜になる覚悟なき者とく去ぬるべし

   (山中もとひ「弥生板付遺跡」)
   ※「蓮」5号



詩歌採集 その156 糸田ともよ

2015-10-29 06:17:35 | 詩歌採集




靴だけが自在に駆けゆく砂浜に薬玉(くすだま)のごと月球割れて

   (糸田ともよ『水の列車』)



蓮の歌 その13 瑠奈保

2015-10-28 11:01:09 | 蓮の歌
   



   生きにくいこの世を浄土へ 今年も蓮の花が咲く

     (瑠奈保「夏に想う」「芸術と自由」No・302)



詩歌採集 その155 萩谷孚彦  

2015-10-28 06:41:43 | 詩歌採集


鉄床の底がひかりて風がたつ濡れてもいいぜ君とならば

   (萩谷孚彦「夜の船」)
   ※「蓮」5号



詩歌採集 その154 岡 貴子

2015-10-27 07:22:48 | 詩歌採集




わが影は黒あげはちょう 夏みかんの夢さがしつつひねもす舞えり

    岡 貴子「薔薇の実色に」)
   ※「蓮」5号



詩歌採集 その153 佐藤 薫

2015-10-26 08:03:57 | 詩歌採集

   


雨 雨 正方形の風景を斜めによぎる八月の雨
     
   (佐藤 薫「地下鉄は荒野へむかふ」)
     ※「蓮」5号



蓮の歌 その12 大河原惇行

2015-10-26 06:04:17 | 蓮の歌




花散るを待つにはあらず蓮なれば花なれば四日のその命にて

(大河原惇行「短歌21世紀」2014年9月号)



詩歌採集 その152 橋淑子

2015-10-25 08:27:03 | 詩歌採集




あたらしきけふのひと日を重ねつゝ命たのみて歩みゆくなり

   (橋淑子『うしつ世をともに在りたるもろもろへ』)

※橋淑子の「」の漢字はスマホでご覧の方には正しく表記されません
 「高橋」とお読みください



詩歌採集 その151 布々岐敬子

2015-10-24 07:53:40 | 詩歌採集
   
   


夜十時回ったばかり彼方には街灯もある町の灯もある

   (各々岐敬子「戌の満水」)
   ※「蓮」5号



詩歌採集 その150 佐藤よしみ

2015-10-23 05:44:15 | 詩歌採集
   
   


聞こえない声きこえてはならぬ音ざわめくような素潜りの夏
     
   (佐藤よしみ「ひまわりの丈」)
   ※「蓮」5号



蓮の歌 その11 大野誠夫

2015-10-22 08:39:19 | 蓮の歌




対岸にけぶるがごとき村落の見えがくれして蓮の葉うごく


   (大野誠夫『川狩』)



蓮の歌 その10 遍昭

2015-10-21 04:29:44 | 蓮の歌



蓮葉の濁りに染まぬ心もてなにかは露を玉とあざむく

   (遍昭『古今和歌集』夏・165)



詩歌採集 その149 伊集院静

2015-10-21 04:27:57 | 詩歌採集




   ここまで歌えるようになったかい
     
  (伊集院静、過去作品を再録音した五十一歳になった近藤真彦に)



詩歌採集 その148 立原道造

2015-10-20 09:19:12 | 詩歌採集



   
   昔むかし僕が夢を美しいと信じた頃、夢よりも美しいものは世になかった。
   しかし夢よりも美しいものが今日僕をとりかこんでゐるといつたなら、
   それはどんなにしあはせだらうか。

     
     (立原道造「夏の旅」)