ハチクマが台風凌ぎ海渡るころをわが家に蜂の巣育つ
家の周囲の点検など日ごろからまったくすることはなく
庭に出ることもなく日々リビングのソファをわが小舟の
ごとく座ってみたり横になってみたり食事だって小舟の
上で済ませている有様で台風が来ても日照りが続いても
テレビを見るにも音楽を聴くにもエアコンをつけるにも
リモートコントローラが小舟から手を伸ばせば届く範囲
にあって空気清浄器もハロゲンヒータも手足を延ばせば
ボタンが押せるし夏服だろうが冬服だろうがほんの少し
だけ腕を伸ばして引き寄せれば手に入るし飲み物だって
床の上にペットボトルがあるという怠惰な言い換えると
エネルギーを消費しない暮らしを徹底してまいりました。
このところ世は「ハチクマ」ブームなのか?
NHKで立て続けにハチクマのドキュメンタリーが再放送された。
私も今年は伊良湖岬で鷹の渡りを眺めたせいで
改めてハチクマっていいなあと思っていたところ。
「なにハチクマって?」と訊かれると
「ハチクマはね、蜂の巣を襲う鷹の仲間なんだよ。
秋になると南下して長崎の福江島から東シナ海を越え
タイを通ってボルネオやスマトラを目指す。
春になると今度は大陸を通って元の営巣地に帰ってくるのさ。」
と答えたりして。
さて本題。わが家に蜂の巣ができておった。
この夏、やけにアシナガバチが庭を飛び回っておるのぉ
と気になってはいたが。
また憂鬱の種が一つわが心に埋められたことになる。
ハチクマは飛んできちゃくれないし。
明日は蜂の巣を撤去する戦いに挑む。
この男の物語をどうぞご期待ください。