『鈴木しづ子100句』 武馬久仁裕 松永みよこ
黎明書房 2022/10/10発行 ¥1.870.-
「はじめに」で武馬久仁裕は
本書は彼女の伝説を追って、その俳句を鑑賞、紹介するものではない
という。スキャンダラスな衣装をまとわされてきた彼女の俳句から
その衣装を取り去り、自由に読もうとするものだという。
とはいえ、武馬の解説―鈴木しづ子の世界を読むと、ある程度彼女を
知ることができるし、その俳句にもますます興味を増すのだった。
収録作品を6句紹介します。
とほけれど木蓮の径選びけり 『春雷』
秋ゆふべねぢ切るわざを見てならふ
あきのあめ襟の黒子をいはれけり
あひびきの夕星にして樹にかくれ 『指環』
中年の男の魅力鳥雲に 「俳句研究」(昭和22年8月号)
わが五指がさくらはなびら散らしけり 未発表投稿句(昭和27年6月16日付)