詩歌探究社 蓮 (SHIIKATANKYUSYA HASU)

詩歌探究社「蓮」は短歌を中心とした文学を探究してゆきます。

蓮の歌 その9 渡 英子

2015-10-20 06:59:24 | 蓮の歌




枯れ蓮(はちす)不忍池を占めて揺れ旧友のやうに冬がまた来る

   (渡 英子『龍を眠らす』)



詩歌採集 その147 村木道彦

2015-10-19 07:04:46 | 詩歌採集




   きみはきみばかりを愛しぼくはぼくばかりのおもいに逢う星の夜
     
     (村木道彦『天唇』)



詩歌採集 その146 平井 弘

2015-10-19 06:32:49 | 詩歌採集


   もう少しも匂わなくなりわれの夏の一部となりし蝉が掌にある

     (平井弘『顔をあげる』)



詩歌採集 その145 浜田 到

2015-10-18 06:43:47 | 詩歌採集


   窓に木星かすかに光る服ぬぎて背の銃痕たちまち寒し

     (浜田到『架橋』)



詩歌採集 その144 H・ヘッセ

2015-10-17 06:20:06 | 詩歌採集




   叱らないで ぼくには祈れない
   とおりすがりに ぼくは ただ
   あなたの階段にちかづいて
   あなたの眼が みたいだけ


     (H・ヘッセ)



詩歌採集 その143 浜田康敬

2015-10-16 16:36:58 | 詩歌採集




いつも見るいかつき人は夜勤にて昼間見るよりやさしく動く
   
   (浜田康敬『浜田康敬歌集』)



詩歌採集 その142 上田三四二

2015-10-16 10:56:22 | 詩歌採集



   
   詩には、幾度もいうが何か過剰が必要である。
   一人の詩人にとっても、また一時代にとってもそうである


     (上田三四二『現代歌人論』)



詩歌採集 その141 森 水晶

2015-10-16 08:52:58 | 詩歌採集


滝つぼに風が吹いているとつぶやけば風が生まれると君言い直す

   (森水晶「幻の花」)
   ※「蓮」5号



蓮の歌 その8 小谷博泰

2015-10-16 07:21:32 | 蓮の歌




アオサギが蓮池にきて歩みおり秋のはすいけはさびしいぞなもし

   (小谷博泰歌集『昼のコノハズク』)



詩歌採集 その140 石川幸雄

2015-10-15 14:48:17 | 詩歌採集




短歌とは原野の卒塔婆うたつくる民の象徴ひとつなる首   

   (石川幸雄「原野の卒塔婆」)
   ※「蓮」5号



詩歌採集 その139 玉城 徹

2015-10-15 10:47:06 | 詩歌採集




   わたしは、多分ひどく矛盾しているだろう。
   矛盾を含まぬ人間など、概念のお化けみたいなもので、面白くも何ともない。
   わたしは矛盾をおそれてはいないつもりである。

     
     (玉城徹『短歌実作の部屋』)



詩歌採集 138 浅川マキ

2015-10-15 10:42:58 | 詩歌採集



   どこへでも、自由な意志で飛び立つもいい、
   落ちて行くのも自分の意志なら、それも自由さ

     
     (浅川マキ・エッセイ集『こんな風に過ぎて行くのなら』)
       ※「男たちの深い一拍」ライナーノートより転載収録



蓮の歌 その7 鶴岡美代子

2015-10-15 06:50:09 | 蓮の歌



大賀蓮咲きゐる池を眼下に朝のモノレールに腰浮かせをり
   
   (鶴岡美代子『蓮』)
   ※『蓮』は「れん」と読みます



詩歌採集 その137 石原吉郎

2015-10-15 06:42:27 | 詩歌採集
  



    詩は不用意に始まる
     
     (石原吉郎)



詩歌採集 その136 前川紅樓 

2015-10-14 06:26:28 | 詩歌採集
   



   標本室の骸骨が鳴る復活祭   

     (前川紅樓『魚神』)