遠藤周作の本は、20代の頃『おバカさん』という小説を読んで、「ぼくもだまされる人生でありたいなあ。」と思って以来。
根底の根底に「謙虚」のある人で、やはり読んでておもしろい。
ぼくにとっての「死」とは、【次の世で急務が待っている】という解釈ですが、いろんな人の死への考え方が紹介されています。
「死ぬのは海に入るようなもの。はじめは冷たいがやがて慣れる。」「死ぬことはさなぎが蝶になるようなもの。形を残して旅立つ。」
遠藤周作本人がこの本で伝えたかったのは、「取り乱して死んでもいい。」ということかな。立派に死ぬことを日本人は望みがちだけど、神はあまりその辺気にしてない、と。
今日続きを読んでいて、すごく思い至った箇所は、
「人は老人になったり病気をしたりすると、『生活』から『人生』へと次元が変わる。」という話。
『生活』とは、自分の根底にあるものや、核になるものを無視したり、軽視しないとなりたたない。世間体や道徳を大事にして、心の奥底にあることは隠さないと成り立たない。
しかし、病気や老齢で死が迫ってくると『人生』にシフトする。そして、神様や仏様が大切にするのは、この『他人には隠してる素顔の方』だそう。
さあ、どうして生きていこうか!