〜回想的読みもの。今を生きながら、ちょっと時間の経ったことを落ち着いて思い出してみた。今と1ヶ月前。ふたつの時間〜
友達がいなければ入院も、そして退院も出来なかったけど、入院生活には家族に頼まないといけないこともちょこちょこある。
手術説明会。ほんとは姉ひとりに来てほしかったけど、母がどうしても行きたがってると姉から聞き、まあそりゃそうかと思い結局父、母、姉付き添いの下、検査の結果と手術の説明を受けることに。
これからの治療方針、そしてステージは3のcであることが告げられた。姉とぼくは「はい。」と答え、母は「そんなに悪いなんて・・・。」とつぶやき、父は「それならそんなに悪いことありまへんなあ。」と言い全員のひんしゅくを買った。
治療は3種類示された。その説明をしてくれたのがいまの主治医の先生で、その時初めて会ったけどすごく信頼できるように感じた。ぼくはそういう時は、「取ってもらってる時間は15分くらいかな?」とか思い、非常に時間を気にして質問を進めていくけど、やっぱり即決できないこともいっぱいあって、聞きたいこともいっぱいあって。でも先生は時間を気にする様子も見せず、ひとつひとつ、そして家族ひとりひとりの質問に丁寧に答えてくれた。
治療方針は先生が一番いいと思うものにしてもらうことにし、人工肛門だけは決断に1日もらった。いま考えると、すでにその時イスに座ってるその尻には管が入っており、それがないと出せないわけだから迷うも何もないと思うけど、先生は了承してくれて、翌日ストーマ専門の看護師さんを説明に来てもらえるようにしてくれた。
結局何分経ったのかわからないけど家族説明会は終わった。「母泣いたらいややなあ。」と思ってたけどその場ではそんなことなかってホッとした。
なのに数日後。電話の途中で母が急に声を押し殺して泣き出したのでビックリした。「このタイミングで泣くって、もしかして『ご家族の方』しか知らないなにかがあるわけ!?」とその後2、3日疑ってたけどまあいいわ、と思ってそのままここまで来た。
まあ体調はよくなってんだからだいじょうぶでしょう。翌日、説明に来てくれた看護師さんに海で泳げるかを聞いたら「全然泳げます。」と言われその時に人工肛門は受け入れました。