ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

映画「桜田門外の変」

2010-10-29 20:58:43 | スポーツ一般
 先の映画「13人の刺客」に続いて、「桜田門外の変」を鑑賞してきました。水戸藩創立400年を記念して、茨城県や水戸市の支援も受けた映画だという。

 攘夷を声高に主張する水戸斉昭を、幕府の重職から遠ざけた、伊井大老の暗殺を企てる水戸の藩士達。その中から大老襲撃の指揮を任された、主人公関鉄之介を中心に物語が進んでいく。

 史上でも名高い事件であるが、尊王攘夷の気運の高まる中で、伊井大老をはじめ幕府の重臣達にも天皇の勅許を得ることなく和親条約を結んだのには、列国の侵略から国を守るとという、使命感があったことが分かる。

 伊井大老による攘夷派の弾圧いわゆる「安政の大獄」で多くの犠牲者を出したことから、江戸城に登城しようとした伊井大老を、桜田門前で水戸藩士17名、薩摩藩1名にで襲撃、暗殺を挙行する。

 この襲撃事件で襲撃側にも、伊井藩士にも多くの犠牲者を出す。事件の首謀者たちは、幕府側の追跡を逃れて、薩摩藩の対幕府に対する京都での挙兵を信じながら、三々五々に京都での再会を期して旅をする。しかしその途上で多くは自刃し、あるいは捕縛されて江戸で断罪される。

 主人公も事件の2年後に、茨城県袋田村の有力者の家に匿われるが、逃走した越後の湯沢近くで、水戸藩士に捕縛される。そこで多くの同志達や、大老を守り切れなかった伊井藩士たちも断罪されたことを知る。「大老の命ひとつ取るのに何と大勢の人たちの命が失われたことか」と主人公関鉄之介は述懐する。ここにこの映画の主張したかったことが集約されていたのだと思う。

 江戸で幕府の手により斬首されるところで映画は終わる。伊井大老の死から、維新後の大久保利道の暗殺まで、多くの血を流しながら、明治維新という大事業が成されたことを思うと、桜田門外の変が大きな鍵を握っていたことが分かる。

 主人公役の大沢たかおは、時代劇俳優として、重厚な演技を見せているのが印象的である。いささか長い映画になっているが、出来は 中 の上 ランクと思う。

コメント (2)
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