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本を読む=『そして、メディアは日本を戦争に導いた』その① 半藤一利・保阪正康対談 

2016年06月28日 | 政治・社会
 メディアに圧力をかけている政権は国民をどこに導くのでしょうか。多くの国民が危惧しているように、NHKは政権の言うことを伝えると豪語する籾井会長の下にありますし、民放も政権に批判的なキャスターなどは降板しました。そして、各局とも、自己規制という名の政権におもねる、おっかなびっくりの報道になっている気がします。

 今度の参議院選挙での各党討論会の安倍首相の発言の長さと、過激な発言。政権批判を許さないと、圧力を加える政権、それに慣れっこになっている国民。その間にマスコミの自由度は世界でも70位ほどに転落しているほど、真実が知らされていない我ら国民。その行く先は何でしょうか。お二人の歴史研究家が対談して、「昭和史は繰り返す、もはや時代は『戦前』なのか」という、帯の言葉にあるように、まさに[警世]の書です。文春文庫の最新刊になりました。(550円)

 半藤氏は、「はじめに」の項で、この本の発刊の主旨を綴っています。
 つまり、「昭和20年8月までの昭和史20年史において、いかに権力が言論と出版の自由を奪ってきたか、その権力を安泰にするために拡大解釈が可能な法律を作り巧みに自由を奪ってきたかイヤになるほどわかる。」として、今回の自民党の憲法改正草案の問題点を追及しています。

 それは、9条の論外の改悪はもとより、21条の改悪には愕然となり、怒り心頭に発したというほどの問題です。そこは、憲法では「集会、結社および言論、出版その他一切の表現の自由は保障」との条項でいわゆる「表現の自由」と言われるところです。第2項では、検閲の禁止、通信の秘密は犯してはならない」とあります。

 この無条件の表現の自由が、自民党案では拡大解釈が自由なように、第2項で「公益および公の秩序」を害さない範囲と制限がついています。

 これは、とりもなおさず、戦前の政権がとってきた手法です。いくらでも、都合よく解釈可能で、権力者はいつの時代も同じ手口を使うものだといいいます。この昭和史の教訓から、権力者による、国民的熱狂を作ることを防ぐ手段としても言論・出版の自由、ジャーナリズムの自由が一番大切といいます。
 
 確かに、「国民的熱狂」と言えば日本の戦前の誰もが鬼畜米英を叫び戦争への突入させられていったこと、最近ではアメリカのブッシュ大統領の起こしたイラク戦争などがあります。日本人の国民的な弱さも指摘しています。

 このようなことを考えての、メディアが犯した誤りとその原因を以下に指摘しています。
                      (その2では概要にふれます)

 


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