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多い宿題に家族が悲鳴!=その裏にある学校のテスト競争の弊害

2019年02月14日 | 教育
 孫が冬休みの宿題が多くて大変だったことを思い出しました。たのしいはずの正月に祖父母の我が家に来た3年生の孫がほぼ一冊の国語のドリル帳と、2学期に間違ったテストを全部持ち帰ってそれをチエック。更に習字の練習と清書。多い日には2時間もかけてドリルに取り組む孫に、「親に〇付けさせるのはやり過ぎだ」などと言いながら、妻は算数を私は国語と習字を教える等をしました。
 孫は算数が苦手なようなのである程度は家庭学習もしないといけないと思いましたが、「これは本当は学校でやるべきだ」と思うようなこともありました。しかしそれにしても多いと思いました。

 子どもたちが大変な状態になっていると思うと同時に、先生も大変なんだろうと想像しました。学校では今、全国学力テストですべて学校ごとの成績が分かり、それが校長や先生方の評価につながるという仕組みの中で、テストに出るような問題の練習やドリルなどが多くなっていると聞きます。

そもそも一人の先生が「国語」「算数」「理科」「社会」「体育」「図工」「生活」「総合的な学習」などを教えて評価するということは至難の業ですが、今度はそれに加えて、「英語」「道徳」が加わります。これに特別活動(クラブなど)や生活指導、親との連絡、事務の仕事が入ります。これらの準備を毎日やるという仕事は想像できるでしょうか。スパーマンになれというものです。とてもきちんと用意して授業に臨めないのは明らかでしょう。

 子どもたちも1年生から5時間の日が数回になったり、高学年は6時間もあるという日課です。
 だからこそ他国では教師の持ち時間を少なくしたり、子どもの学級内の人数を少なくしているのです。内容も精選したうえで用意します。どこかおかしい今の学校の仕組みではないでしょうか。

 このような中、大阪のごときは小中学校ごとにテストの点数アップを競わせ教師を評価し、学校への予算配分でも差をつけると市長が発言したのは昨年。当ブログでもその折には書きましたが、今回はそれを制度化したということです。

 全国一斉学力テストではなく、大阪市(府)独自に小3から中3まで実施し、校長への評価をボーナスに反映させ、教師については結果に基いて校長が評価するというものです。成績が悪い学校には予算も配分されないということは許されるのでしょうか。一層悪い結果にしかならないでしょうに・・・。

  学力テストの成績については何度もこのブログでも触れていますが、指導法のみではなく、教科書(指導内容)の妥当性、塾通いの有無、経済、環境、親の在り方など複雑な要因があります。この大阪のような一層格差を広げるような仕組みは文科相も「趣旨を逸脱」と指摘するほどです。

 この結果、成績至上主義的な考え方が今以上に教師や親、子に広がり、勉強が遅れがちな子へのいじめなどが多くなりそうで心配です。そして勉強が苦手な子が一層片隅へ追いやられるような息苦しい雰囲気を行政が率先して作るようで嘆かわしいことです。全国以上に大阪の子どもは一層宿題にも追い立てられるのでしょうか。

 全国一斉学力テストはやめて、従来のように統計上必要な抽出で十分なのに、「競争主義の考え方」で学校をしばることや、一部の「テスト業者の利益」のために止められなくなっているのでしょうか。
 
 今、子どもたちへ目が十分届かなかったりして、親が子供を虐待したりする例が問題になったり、先生方が精神疾患で休職になっている人が5000人を超しています。このような異常な状態にあるのが教育の現状です。
 
 こんな学校を競争漬けにするような安易な教育はすぐやめて、本来の学力を伸ばすために、他の先進国並みに教員を増やし、学級を少人数にして先生にも子どもにもゆとりを与えるような教育にして欲しい所です。


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