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少子高齢化の解決策の一つが高齢者の集団自決?ーあるエリートの発言は優生思想?

2023年05月21日 | 政治・社会

 成田悠輔氏の発言をご存じだろうか。1985年生まれ40才前でしょうか。東大、マサチューセッツ工科大学卒などの輝かしい学歴で起業家、大学教員などの経歴を持つ、TVでは特徴的な眼鏡で知られています。

 その人が2021年12月17日に放送されたインターネットテレビ局「AbemaTV」に出演し、少子高齢化や労働生産性、人口減と地方の過疎化などについて出演者らと議論する中で「集団自決」に言及したとの報道がありました。今年2月に米紙ニューヨーク・タイムズがこの発言の過激さに驚きを持って報道しました。その後、世界各国が報道しましたが、肝心の日本のマスコミは単なる個人的な発言のような扱いで、それほど問題視しませんでした。(下記発言はネット上でも問題にされており、すぐ検索できます。)

  <成田氏の発言>

 唯一の解決策ははっきりしていると思っていて、結局、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなことしかない。(私は)けっこう大真面目で、やっぱり人間って引き際が重要だと思う。

 別に物理的な切腹だけでなくてもよくて、社会的な切腹でもよくて、過去の功績を使って居座り続ける人がいろいろなレイヤー(階層)で多すぎるのがこの国の明らかな問題で、まったくろれつが回っていなかったり、まったく会話にならなかったりするような人たちが社会の重要なポジションをごくごく自然に占めていて、僕たち、それが当然だと思っちゃっているじゃないですか。

 当然だと思っていることがすごく危機的な状況だと思っていて、消えるべき人に「消えてほしい」と言い続けられるような状況をもっとつくらないといけないんじゃないか。

 このような事を成田氏は一回きりではなく何度もさまざまな場で発言していますから、誤解とか口が滑ったという類いではないことがわかります。高齢化社会の問題は、当然わかりますが、その唯一の解決策が、集団自決とか集団切腹などとは、なんと言うことでしょう。ブラックユーモアでもこんなことはあり得ないでしょう。一部の社会的な地位のある人には社会的に抹殺することも提案しているので、若い人はそのことで賛意を示している人もいるようですが、前段は当の若い人を含む一般的な高齢者の多数の事です。

 これはヒトラーが進めた優生思想そのもでしょう。年寄り、病人、障がい者など、社会的な弱者は生産性の面では邪魔者だから抹殺する方向に国家的に進めたのでした。だからこそ、諸外国は驚き報道したのでしょう。

 日本のマスコミが問題視もせずに済ましていることは、日本のマスコミの人権意識の劣化が進んでいる証明でもあると思います。また、社会のゆがみをも映しているのでしょう。日本は政権党がずっと差別的な発言や強権的な政治をするのが当たり前のようになっていたり、若い人が先の見通しが持てなくなっている中で、政策策定に当たって高齢者と若い人を対立させる考えが広げられてしまったように思います。

 このような考えが横行している限り、弱者への差別や虐待などがなくならないでしょう。数年前に起きた施設での殺人事件などはこのような考えが根底にあったからこそでしょう。

 改めて高学歴や社会的な地位にある人の人権感覚がどうのようなものであるかを考えさせられました。ご当人には、まず自分が老齢化したら、この発言のように処する覚悟を持ってもらいたいと思います。

 人はだれでも歳を取るのです。人はだれでも、病気をしたり、障がい者になる可能性があるのです。



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