河北新報より転載
震災で離れ離れ…内陸で再会、笑顔の花咲く
調理した料理を一緒に味わった食事会
◎料理通じ住民と出会い/滝沢
東日本大震災で被災し、滝沢市に避難して定住を決めた人たちと地域住民が一緒に料理を楽しむ交流会が23日、市老人福祉センターであった。参加者は持ち寄った野菜を全員で手分けして調理し、食事と会話を楽しんだ。
精神障害者の見守り支援に取り組む同市のボランティア団体「あんずの会」の会員ら10人と、市内の避難者グループ「若潮会」の8人が参加した。
あんずの会が育てたキャベツやニンジン、キノコといった野菜を芋の子汁や炊き込みご飯、酢の物、あえ物に仕上げた。試食会ではレシピのポイントやお互いの身の上話に花が咲いた。
釜石市出身の無職富司幸雄さん(79)は昨年、胃がんを患い医療面を考慮して滝沢市への定住を決めた。「外から来た分、日常的に会う人は限られる。交流会を通して出会いがあるのがうれしい」と笑顔で話した。
◎古里への思いを癒やす/紫波
岩手沿岸で東日本大震災に遭い、内陸に避難した被災者のグループ同士が親交を深める交流会「サロンにお邪魔in紫波」が26日、岩手県紫波町の古舘公民館であった。滝沢市で暮らす被災者たちが紫波町の被災者サロンを訪れ、それぞれの暮らしぶりや古里の思い出を語り合った。
釜石、大船渡、宮古3市と大槌、山田両町出身の計24人が参加した。内陸定住と望郷のはざまで葛藤する気持ちを話したり、津波で家族を亡くした喪失感を拭えない心境を打ち明けたりした。被災者グループの活動の在り方についての意見交換もあった。
大槌町出身で、岩手県矢巾町のみなし仮設アパートで1人暮らしの越田孝子さん(80)は帰郷を迷っているという。「被災者同士なら悩みを話しやすい。家にこもらず外に出ていろんな人と関わり、古里に戻る決心がつくまで明るく元気でいたい」と前を見据えた。
主催した避難者支援に取り組むNPO法人いなほ(盛岡市)の佐藤昌幸代表(37)は「被災者のコミュニティーは自治体ごとに分断されており、他の自治体の被災者の生活ぶりを知らないことが多い。定期的にこうした交流会を続けていきたい」と話した。
関連ページ:岩手文化・暮らし
2015年10月27日火曜日
震災で離れ離れ…内陸で再会、笑顔の花咲く
調理した料理を一緒に味わった食事会
◎料理通じ住民と出会い/滝沢
東日本大震災で被災し、滝沢市に避難して定住を決めた人たちと地域住民が一緒に料理を楽しむ交流会が23日、市老人福祉センターであった。参加者は持ち寄った野菜を全員で手分けして調理し、食事と会話を楽しんだ。
精神障害者の見守り支援に取り組む同市のボランティア団体「あんずの会」の会員ら10人と、市内の避難者グループ「若潮会」の8人が参加した。
あんずの会が育てたキャベツやニンジン、キノコといった野菜を芋の子汁や炊き込みご飯、酢の物、あえ物に仕上げた。試食会ではレシピのポイントやお互いの身の上話に花が咲いた。
釜石市出身の無職富司幸雄さん(79)は昨年、胃がんを患い医療面を考慮して滝沢市への定住を決めた。「外から来た分、日常的に会う人は限られる。交流会を通して出会いがあるのがうれしい」と笑顔で話した。
◎古里への思いを癒やす/紫波
岩手沿岸で東日本大震災に遭い、内陸に避難した被災者のグループ同士が親交を深める交流会「サロンにお邪魔in紫波」が26日、岩手県紫波町の古舘公民館であった。滝沢市で暮らす被災者たちが紫波町の被災者サロンを訪れ、それぞれの暮らしぶりや古里の思い出を語り合った。
釜石、大船渡、宮古3市と大槌、山田両町出身の計24人が参加した。内陸定住と望郷のはざまで葛藤する気持ちを話したり、津波で家族を亡くした喪失感を拭えない心境を打ち明けたりした。被災者グループの活動の在り方についての意見交換もあった。
大槌町出身で、岩手県矢巾町のみなし仮設アパートで1人暮らしの越田孝子さん(80)は帰郷を迷っているという。「被災者同士なら悩みを話しやすい。家にこもらず外に出ていろんな人と関わり、古里に戻る決心がつくまで明るく元気でいたい」と前を見据えた。
主催した避難者支援に取り組むNPO法人いなほ(盛岡市)の佐藤昌幸代表(37)は「被災者のコミュニティーは自治体ごとに分断されており、他の自治体の被災者の生活ぶりを知らないことが多い。定期的にこうした交流会を続けていきたい」と話した。
関連ページ:岩手文化・暮らし
2015年10月27日火曜日