年金削減廃止老いも、若者も安心して暮らせる世の中にみんなで声をあげれば世の中変わる

消費税5%に、自・公政権退場、核兵器廃止・自然・再生エネルギーで原発ゼロへ・憲法9条コワスナ。

千葉 森田氏公開討論会なぜ逃げる

2013-02-19 10:17:48 | 日記
 2月28日公示千葉知事選(3月17日投票)を前に公開討論会を2月24日と3月12日予定していましたが森田氏は回答期限の3月15日午後3時過ぎた後に欠席を伝えてきたので討論会、個人演説会を取り止めろと日本青年会議所千葉ブロック協議会が伝えています。


なぜ逃げろ森田氏「公開討論会」「個人演説会」(公務のため)言い訳にならん。

三輪定宣さんで県政を変えよう。三輪さんの公約

「東通原発に活断層」と判断 規制委が報告へ

2013-02-18 12:20:42 | 日記
「東通原発に活断層」と判断 規制委が報告へ

 東通原発(青森県)の敷地内の断層を調査している原子力規制委員会は18日、評価会合を開き、問題の断層は活断層の可能性が高いとする報告書案を示した。
断層は原子炉の近くを通っていることから耐震安全性の見直しが必要になり、東通原発の停止が長期化する可能性が高い。
規制委の評価会合が原発敷地内の断層を活断層の可能性が高いと判断したのは、日本原電敦賀原発(福井県)に続いて2例目。


 今回主に調査した断層は、東通原発の敷地内を南北に走る「F―3」と「F―9」。F―3は長さ数キロに及び、原子炉建屋の西約400メートルを通る。北側に建設中の東京電力東通原発の敷地に達している。

若い世代が希望を持てる社会づくり 来月に青年革新懇全国交流会

2013-02-18 11:03:29 | 日記
2013年2月18日(月)
若い世代が希望を持てる社会づくり 来月に青年革新懇全国交流会




(写真)年革新懇全国交流会のチラシ

 全国革新懇とヒロシマ青年革新懇は3月23、24の両日、広島市で「若い世代が希望を持てる社会づくり」「No more war」をスローガンに掲げた青年革新懇全国交流会を開きます。青年革新懇の全国交流会が開かれるのは初めてです。

 全体会や分科会・分散会を予定しています。全体会(23日)では、ゲストの雨宮処凛さん(作家)が「声をあげる―生きやすい社会へ 青年の命奪う憲法改悪に抗して」と題して発言。また青年革新懇の活動が報告されます。

 23、24両日の分科会・分散会では、雇用、大震災・原発、教育、生活保護、基地・憲法、生き方をテーマにした交流が予定されています。

 失業や貧困、格差が広がり、青年が厳しい環境のもとにおかれるなか、憲法9条改悪の動きなど、若い世代にとっても重大な問題が浮上しています。こうしたなか、各地の青年革新懇は、働き方や原発問題など、要求実現や国政の焦点問題に取り組み、連帯を拡大。交流会が掲げたスローガンを、若い世代や国民の中に広げる決意を固め合い、運動の飛躍を目指す機会と位置付けます。

 参加費は500円。23日は午後1時~5時半まで、24日は午前9時~正午まで、平和記念資料館東館などを会場に行われます。

 連絡先 電話03(3357)5515 ファクス03(5363)8965

除染でピンハネ 「最低賃金+危険手当」を下回る日当

2013-02-18 00:01:24 | 日記
しんぶん赤旗                    2013年2月17日(日)
除染でピンハネ 「最低賃金+危険手当」を下回る日当
危険手当ゼロでも「もらったことに」
福島県労連が「労働者110番」
 福島県労連労働相談センターは、「除染労働者110番」(14日)に寄せられた16件の相談内容を16日までに公表しました。1万円の除染手当(危険手当)が支払われるべき国直轄の「除染特別地域」から7件の相談がありました。環境省が明示している「1日1万1700円+危険手当」をもらう人は誰もおらず、逆に「最低賃金+危険手当」の1万5312円を下回る日当しかないとの相談が3件もありました。
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(写真)福島県田村市での森林の除染作業(環境省の直轄事業)=1月24日

 相談では、除染手当がまともに支払われていないことを隠す悪質な例もありました。危険手当が支払われていないのに会社から「もらっていることにしてくれ」といわれたという人や、「危険手当はもらわない」と一筆を書けといわれた人がいました。
 「除染事業の元請けのゼネコンが受け取る金額は膨大なのに、ピンハネせずにきちんと払ってほしい」「原発の被害者で一生懸命働いているのに、何を考えているのか。やる気がなくなる」などの厳しい指摘がありました。
 雇用保険や社会保険の未加入、交通費の未支給、内部ひばく線量を調べるホールボディーカウンターを受けるときは無給になることなどの苦情がありました。
 国直轄の除染特別地域と放射線量に違いはない市町村実施の「除染実施区域」から、おもに「危険手当の対象にならないのか」との相談が5件ありました。
誇りと自覚もてる労働に
 福島県労連労働相談センターの小川英雄所長の話 問題の重大さが浮き彫りになる相談でした。放射性物質を取り除く「除染」という労働の特別の危険を考えて「危険手当」が払われているものを、実際の作業に携わらないゼネコンなどがピンハネするなどは言語道断です。危険手当を「国直轄地域に出すが市町村実施地域には出さない」との制度も不可解で、改善すべきです。
 除染労働者の無権利・不安定な雇用の実態も明らかです。労働者が確保できなければ除染が進まず、安心して自分の家に戻れません。安定した労働条件で除染労働者が誇りと自覚をもって除染に取り組める制度の確立を国に求めていきます。

賃上げと安定した雇用の拡大で暮らしと経済を立て直そう

2013-02-17 10:16:34 | 日記
しんぶん赤旗                2013年2月15日(金)
賃上げと安定した雇用の拡大で暮らしと経済を立て直そう
志位委員長が記者会見 共産党が「働くみなさんへのアピール」
 日本共産党の志位和夫委員長は14日、国会内で記者会見し、「働くみなさんへのアピール 賃上げと安定した雇用の拡大で、暮らしと経済を立て直そう」と題した党の“賃上げ・雇用アピール”を発表しました。山下芳生(よしき)書記局長代行が同席しました。
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(写真)記者会見する志位和夫委員長(左)と山下芳生書記局長代行=14日、国会内

 志位氏は、賃下げが続き雇用不安が広がり続ける日本社会の現状が世界の流れからみていかに異常かを紹介。賃金が連続的に減り続け、最低賃金が最低水準で、非正規雇用の割合が異常に高いなど、世界の流れからみて二重三重に異常だと指摘し、労働者の生活実態からみても賃上げは当然の要求だと述べました。
 賃下げと非正規雇用の拡大はデフレ不況の悪循環の元凶となっていると述べ、働く人の「使い捨て」は産業の競争力さえも脅かしていると批判。大企業がため込んでいる内部留保の多くは有価証券など換金可能な資産の形で保有されており、その1%程度で大きな賃上げを実施できることを表(別掲)で具体的に示して、賃上げと雇用の安定がデフレ不況打開の一番のカギだと述べました。
 企業の経営者には、目先の利益や株主への配当だけでなく、「日本経済の成長の中で業績の回復をはかる」視点が必要ではないかと提起しました。
 志位氏は、政府が「企業まかせ」にせず、「インフレターゲット(物価上昇目標)」ではなく「賃上げターゲット(目標)」をもち、それを実現する政策を実行するときだと主張。▽賃下げなど財界の間違った行動をただす▽違法・脱法の退職強要・解雇・雇い止めを根絶する▽賃上げを促進する政策をすすめる―ことを提言しました。
 そして、日本経済後退と所得減少の根底には国民の暮らしを守るルールがないか、あっても弱いという問題があるとして、人間らしい暮らしと働き方を保障する「ルールある経済社会」への転換が日本経済を土台から強くする道だと強調しました。
 志位氏は、「このアピールをもって労働者、労働組合、経済団体に働きかけていきたい。もちろん政府にも提起していきたい」と述べました。「消費税や社会保障では立場の異なる人々もふくめて、賃上げの“一点共闘”を広げようという思いでつくりました」と紹介しました。
 衆院予算委員会での笠井亮議員の質問に対し、麻生太郎財務相が「内部留保をためこんでいるマインドが一番問題」と応じたことも紹介し、「そこまで認識が一致するなら、内部留保の活用でデフレ不況から脱却することを、経済界に対して本腰を入れて要請すべきです」と強調しました。

「働くみなさんへのアピール」
 試算方法
 (1)大企業グループの連結決算から2011年度末の連結内部留保を計算(内部留保=資本剰余金+利益剰余金+負債性引当金として計算)。
 (2)各企業グループの国内従業員数を推計し、内部留保の1%の取り崩しで可能な賃上げ額を試算(賃上げ額は最大で“月1万円”)
※国内従業員数は、有価証券報告書記載の従業員数から海外従業員を除いて推計。海外従業員数未公表の企業は国内従業員数が過大に推計されている可能性がある。
 試算対象
 連結内部留保500億円以上の企業グループ741
 企業グループ全体の正規従業員1181万人+同臨時従業員260万人(正規換算)=1441万人A
 海外従業員(推計)331万人B
 A―B=国内従業員1110万人

首都圏反原発連合(反原連)による即時原発ゼロを求める官邸前抗議行動

2013-02-16 13:50:52 | 日記
しんぶん赤旗            2013年2月16日(土)
原発即時ゼロ広げる官邸前行動 リーフレ布

(写真)原発即時ゼロの実現を、と声をあげる人たち=15日夜、首相官邸前

 首都圏反原発連合(反原連)による即時原発ゼロを求める官邸前抗議行動が15日、首相官邸前と国会・霞が関一帯で行われました。抗議開始の午後6時に雨がやみ、官邸前では寒さを吹き飛ばす30分間ノンストップコールが続きました。4000人(主催者発表)の参加者は、ドラムのリズムにあわせて「再稼働反対」「原発なくせ、今すぐ廃炉」と訴えました。
 この日、“原発の即時ゼロは可能”と分かりやすく解説したリーフレット「NO NUKES MAGAZINE(ノーニュークスマガジン)」が、官邸前行動で初めて配布されました。リーフを受け取った東京都足立区の男性(42)は、「職場で配りたい。基礎的な話が分かりやすく書かれてるから、原発の話をしたことのない同僚にも渡しやすいですね。話すきっかけにしたいです」と話しました。
 千葉県松戸市から参加した男性(61)は、福島県いわき市の高校を卒業しました。「福島には知り合いがたくさんいます。事故が収束したなんてデタラメだ。原発をなくすまであきらめないぞ、という意思を政治家に伝えたい」と話しました。
 日本共産党の笠井亮、塩川鉄也両衆院議員がスピーチしました。

賃上げと安定した雇用の拡大で、暮らしと経済を立て直そう

2013-02-15 17:17:55 | 日記
しんぶん赤旗                     2013年2月15日(金)
働くみなさんへのアピール
賃上げと安定した雇用の拡大で、暮らしと経済を立て直そう
2013年2月14日 日本共産党
 日本共産党の志位和夫委員長が14日に発表した「働くみなさんへのアピール 賃上げと安定した雇用の拡大で、暮らしと経済を立て直そう」は以下の通りです。
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世界でも異常な賃下げと雇用不安――賃上げと雇用の安定は切実で当然の要求です


(図)上(グラフ 1)  下(グラフ 2)

 働く人の賃金の低下と労働条件の悪化に歯止めがかかりません。昨年の勤労者の平均賃金は、1990年以降で最低となり、ピーク時の1997年より年収で約70万円も減っています。非正規雇用が、労働者の3人に1人、若者と女性では2人に1人にまで広がり、年収200万円にも満たない労働者が1000万人を超えています。低賃金で不安定な働き方の非正規雇用の拡大は、正規雇用の労働者の賃金と労働条件の低下、長時間労働に拍車をかけています。
 この10年余の間に、平均でも月給の2カ月分程度の収入がなくなったのですから、ローンや教育費をはじめ、労働者とその家族の暮らしの悪化は深刻で、賃上げと安定した雇用への願いは、いよいよ切実です。同時に、賃下げと雇用不安が広がり続ける日本社会の現状は、世界の流れから見ても異常さを際立たせています。
 賃金が長期にわたって、連続的に減り続けている――こんな国は先進国の中でも日本だけです……日本は、1997年からの14年間に、働く人の所得(雇用者報酬)が88%に減少しました。同時期に、欧米諸国では、アメリカ―178%、イギリス―190%、フランス―163%、ドイツ―129%となっています(グラフ 1)。
 最低賃金は先進国で最低水準です……日本の最低賃金は、全国平均時給749円にすぎず、フランス1084円、イギリス928円、オランダ1021円、アメリカ753円(2012年OECD購買力平価)など、先進国で最低水準です。最低賃金で年間2000時間働いても年収は150万円以下ですから、低賃金労働者を生み出しやすく、それが全体の賃金を引き下げる構造になっています。
 非正規雇用の急増も日本の異常さの表れです……日本の非正規雇用は、1980年代から1990年代の前半までは労働者全体の1~2割程度でしたが、いまや35・5%までになっています。これもドイツ―14・5%、フランス―13・5%、イギリス―5・7%と比しても異常な多さです。EUでは、「ヨーロッパは、低賃金と低技能を利用して国際競争力を維持することはできない」(2007年3月 ヨーロッパ議会雇用・社会問題委員会の文書)としています。
 無法な解雇が横行しています……10回にもおよぶ「面談」での「退職強要」、退職に追い込む対象者を「追い出し部屋」に閉じ込める、終業時間間際に「成績不良」と決めつけた「解雇通告」を読み上げ、「私物をまとめてすぐ出て行け、二度と会社に来るな」というロックアウト解雇――こんな無法がまかり通っているのも日本でだけです。
 ILO(国際労働機関)は、1999年の総会で「ディーセント・ワーク」――人間らしい生活を営める、働きがいのある労働――をかかげ、その実現に向けて国際的な取り組みがすすんできました。ところが日本では、これに逆行して、1990年代後半から「使い捨て」の非正規雇用が広がり、賃金も下がり続け、無法なリストラ・解雇が横行するという、“人間らしく働き生活する”という、世界では当たり前の労働者の権利がないがしろにされてきました。
 2013年春闘では、全労連は「月額1万円以上の賃上げ」、連合は「1%の賃上げ」と、それぞれが賃上げを要求しています。賃上げと安定した雇用の拡大は、労働者とその家族の生活の実態からも当然であるとともに、世界の流れからみても、きわめて当然の要求です。日本共産党は、この要求を強く支持するとともに、ともにその実現のためにたたかうものです。
働く人の所得を増やして、デフレ不況打開へ
 同時に、賃上げと雇用の安定は、デフレ不況の打開のためにも待ったなしの課題です。働く人の所得が増えてこそ、民間消費と国内需要を活性化させることができるからです。全労連も、連合も、賃上げと安定した雇用の拡大を、労働者の要求としてかかげるだけでなく、デフレ不況打開のためとしても位置づけています。
賃下げ、非正規拡大がデフレ不況の悪循環をつくりだしています


(図)(グラフ 3)

 1997年度比で、日本企業全体の経常利益は、2011年度には1・6倍に増えていますが、働く人の所得(雇用者報酬)は9割以下に減少しました(グラフ 3)。同時期に、輸出は1・25倍になりましたが、国内需要は約1割減少しました。「国際競争力のため」といって乱暴なコスト削減で輸出は増やしたけれど、働く人の所得を大幅に引き下げたために、国内需要が減少し、デフレ不況の悪循環に陥っているのです。
 それぞれの企業だけをみれば、売り上げの減少をコスト削減で乗り切る、人員削減や非正規雇用への置き換えで当面の利益を確保することは、合理的に見えます。しかし、日本中の大企業が同じことをすれば、国民の所得が減り、消費と内需を冷え込ませ、さらに売り上げが落ち込み、所得が減っていくという悪循環に陥ります。一つ一つの企業にとっては「合理的」に見えても、みんながやれば大きな間違いになる――いわゆる「合成の誤謬(ごびゅう)」に陥っているのです。
 働く人間の「使い捨て」は、産業の競争力さえも脅かしています。目先の利益優先で、人減らしや非正規化に走れば、それと引き換えに、企業や産業にとっていちばん大切な働く人間の力を失うことになります。「優秀な若い人は展望が開けず辞めていく。技術者がたくさん韓国のサムスン電子に移っていった。……それでも会社は引き留めない。当面、人件費を下げる方が大事だからね。寂しいですわ」――パナソニックの元幹部の話です(東京新聞2012年12月21日付)。働く人間をモノのように「使い捨てる」やり方は、仕事へのモチベーションも、技術力も喪失させ、競争力さえも減退させています。
内部留保の一部を賃金と雇用に還元する――経済の好循環をつくる突破口です
 内部留保の1%程度でも大きな賃上げが実施できます……働く人の所得を増やす方向に転じるにはどうしたらいいでしょうか。カギは、巨額の内部留保を、社員の給与として、それぞれの企業が使う方向に動きだすことです。
 自社の内部留保のほんの一部を給与に回せば、ほとんどの大企業で賃上げが実現します。例えば、500億円以上の内部留保をもっている約700の大企業グループについてみると、1%程度を取り崩せば、8割の企業で月額1万円の賃上げが実施でき、月額5000円以上であれば9割以上の企業で可能です。
 大企業は、人件費とともに、下請け・納入単価の強引な切り下げも行ってきました。これも、消費と内需の減少による売り上げ減とあいまって中小企業での賃下げにつながっています。乱暴な「単価たたき」をやめ、適正な単価にする、そのためにも各企業が内部留保を活用するべきです。
 余剰資金を動かし経済を活性化させる最良の道が賃上げと雇用です……大企業の内部留保は、この10年間で100兆円も積み増しされ、260兆円にも達しています(グラフ 4)。人件費削減で目先の利益は増やしたものの、国民の所得が減り、市場が収縮したために、企業経営としての有効な「使い道」もなくしてしまいました。その結果、企業の内部に余剰資金として滞留する資金が急増していったのです。
 財界などは、「内部留保は工場や機械になっているから取り崩せない」と言います。しかし、内部留保が増えた時期は、設備投資も減っており、工場や機械にはなっていません。内部留保が増えても、それが設備投資として工場や機械になっていけば、そこから新しい雇用も生まれ、関連企業の仕事も増え、経済に還流していきますが、そうなってはいないのです。日本経済の全体として、企業内部に滞留する余剰資金が増え続けることは正常ではありません。企業経営にとっても、将来性がある姿とは言えないでしょう。少なくないエコノミストや企業経営者からも、「企業内部の余剰資金を動かすべきだ」という指摘もされています。
 デフレ不況で市場―内需が冷え切っているなかで、余剰資金を新たな設備投資に振り向けることは期待できません。賃上げと安定した雇用の拡大によって、内需を活発にすることこそ余剰資金を生かせる道であり、そのほんの一部を充てれば、日本経済の好循環を作り出す突破口になります。
企業の社会的責任をどのように果たすのかが、いま問われています
 ところが日本経団連は、賃上げを拒否するだけでなく、定期昇給の見直しなどと、いっそうの賃下げに走ろうとしています。さらに、電機・情報産業での13万人リストラ計画をはじめ、退職強要や解雇、雇い止めなど、雇用を喪失させ、地域経済にも打撃となる大リストラが行われています。
 企業の経営者には、自分の企業の目先の利益や株主への配当だけでなく、「日本経済の成長の中で業績の回復をはかる」視点が必要ではないでしょうか。デフレ不況から抜け出すために、企業の社会的責任をどのように果たすのかが、いま問われています。
 日本共産党は、大企業の経営がどうなってもいいという立場ではありません。日本経済への巨大な影響力にふさわしく社会的責任を果たす必要があると考えているのです。大企業・財界が、企業の社会的責任を自覚し、内部留保の一部を、賃上げと安定した雇用を増やすために充てることを、強く求めるものです。
政府が賃上げ目標をもち、それを実現する政策を実行する――「企業まかせ」でなく、政治の責任を果たすときです


(図)(グラフ 4)

 国民の暮らしと、その最大の基盤である雇用を守ることは、政治のもっとも基本的な仕事であり責任です。ところが安倍内閣には、自公政権時代に自らがすすめた労働法制の規制緩和、非正規雇用の拡大など、働く人の所得を減らし続けた経済政策の分析も、反省もありません。
 安倍内閣には、物価を2%上げるというインフレ目標はあっても、賃上げ目標はありません。「企業の業績が回復すればいずれ賃金は上がる」というだけです。しかし、「失われた20年」と言われる中でも、企業の業績が回復し、史上最高の利益を上げた時期もありましたが、その間も、賃金は下がりました。金融緩和などで一時的に円安や株高が起きても、働く人の所得増に結び付ける努力がなければ、本格的な景気回復に向かうことはできず、「ミニバブル」で泡と消えてしまいます。
 働く人の所得を増やすために何をすべきか――この日本経済が直面している問題に、政治が真正面から取り組まなければ、デフレ不況から抜け出すことはできません。日本共産党は、政府として、賃金を上げる目標をしっかりもち、賃上げ政策をすすめることを求めるものです。
財界の「賃下げ・デフレ不況加速」への間違った行動をただす
 日本経団連は、「定期昇給の延期・凍結」による新しい賃下げを提起し、派遣法や労働時間制度など、労働法制のいっそうの規制緩和を要求しています。「実質的な賃金は上昇している」、物価が下がっているのだから「生活水準が低下しているとの主張は適切ではない」とまで言っています(『2013年版 経営労働政策委員会報告』)。“物価が下がっているから、働く人の所得をもっと下げてもいい”というのでは、デフレ不況促進策です。
 安倍内閣は、国会で「経営者に“収益が上がれば賃上げを要請する”という形で協力していただきたい」(安倍晋三総理)「(賃上げ)できる条件に企業側があることはたしかだ」(麻生太郎副総理)と答弁しました(2月8日衆院予算委員会 日本共産党の笠井亮議員の質問)。形式的な「要請」で終わらせるのではなく、財界の賃下げ・デフレ不況への暴走を止め、賃上げを実現するための、実効ある行動をとり続けることを求めます。
政府の責任で、違法・脱法の退職強要・解雇・雇い止めの根絶を
 いくら営利企業であっても、人権を無視し、一生懸命働いてきた人間を邪魔者あつかいし、モノのように「使い捨てる」ことは許されません。政府に、違法・脱法の退職強要や雇い止めを根絶するために、労働行政をはじめあらゆる手だてをつくすことを求めます。
賃上げを促進する政策をすすめる
 ――非正規で働く労働者の賃金と労働条件を改善し、正社員化を促進する
 労働法制の規制緩和で、派遣や契約社員などの非正規雇用を急増させたことが、低賃金社会にした大きな要因です。派遣法の抜本改正をはじめ、非正規雇用への不当な差別や格差をなくし、均等待遇をはかるとともに、非正規から正規雇用への流れをつくることは、「賃下げ」社会を克服するうえで不可欠です。
 ――最低賃金を引き上げる
 全国平均時給749円の最低賃金を、せめて時給1000円以上への引き上げを目指すべきです。そのためには、賃金助成や税・社会保険料の減免など、しっかりとした中小企業への支援が決定的です。最低賃金を引き上げるための中小企業支援は、米国は5年間で8800億円(減税)、フランスは3年間で2兆2800億円(社会保険料の事業主負担分の軽減)ですが、日本は年間約50億円にすぎません。ここにこそ、抜本的予算増をはかるべきです。
 ――中小企業と大企業の公正な取引を実現する
 大企業による単価の買いたたき、一方的な発注中止をやめさせ、大企業と中小企業が公正に商売できるルールを、独占禁止法の強化などによってつくることは、中小企業の経営を安定させ、労働者の賃上げにつながる重要な施策になります。
 ――政府による賃下げ促進策を中止する
 いま政府自身が、賃下げを促進し、デフレ不況を加速させるような政策は絶対にとるべきではありません。公務員賃金の引き下げは、それだけで1兆2000億円ものマイナスの経済効果となりますが、何よりも、民間賃金の引き下げに連動します。また、生活保護基準の切り下げは、最低賃金の抑制・引き下げに連動します。
人間らしい暮らしを保障するルールをつくってこそ、ほんとうに強い経済に
 欧米の経済も大きな危機に直面し、アメリカもEUも低成長で、厳しい状況が続いています。しかし、長期にわたって国民の所得が減り続け、経済が停滞・後退する――こんなことが起きているのは、先進国の中でも日本だけです。
 日本は、働く人の所得(雇用者報酬)とともに、国内総生産(名目GDP)も1997年と比べて約9割に減りましたが、同じ時期に、欧米諸国は、雇用者報酬だけでなく名目GDPも1・3~1・8倍に伸びています(グラフ 2)。
 アメリカやEUと比べても異常ともいえる日本経済の長期にわたる低迷・後退と国民の所得減少の根底にあるのは、国民の暮らしを守るルールがないか、あっても弱い、「ルールなき資本主義」という問題です。
 例えば、日本には、ヨーロッパ諸国では当たり前となっている解雇規制法がなく、残業時間の上限がないなど長時間労働の規制も弱く、違法・脱法の「退職強要」やサービス残業が横行しています。均等待遇のルールも弱く、正規と非正規、男女間などでの理不尽な差別と格差が広がり、それが低賃金構造となっています。最低賃金も先進国で最低水準で、低賃金労働者を生み出しやすい構造となっています。
 人間らしい暮らしと働き方を保障するルールをつくる――「ルールある経済社会」へとすすんでこそ、経済を土台から強いものにしていくことができます。
労働者と国民の連帯の力で、暮らしと経済を立て直す国民的な共同を
 賃上げと安定した雇用の拡大こそ、デフレ不況を打開し、経済も産業も立て直す道です。財界の賃下げ圧力をはねのける大きな国民的な世論と運動、政治を動かす国会内外のたたかいを広げようではありませんか。
 大企業の労働者も中小企業の労働者も、正規も非正規も、民間も公務も、そして、企業や産業の違いものりこえた共同を広げ、誰であれ、どんな企業であっても、“賃下げには怒り、賃上げには共感する”――労働者と国民の連帯の力をつくりだそうではありませんか。
 日本共産党は、働く人の所得を増やすという大きな一致点で、労働組合やナショナルセンターの違いも、政治的立場の違いものりこえ、幅広い国民各層のなかで、対話と共同をすすめることをよびかけるとともに、その先頭にたって奮闘します。

77歳母、月命日の漁港通い 「甘酒持ってきたよ」

2013-02-14 23:32:17 | 日記
岩手日報より転載
77歳母、月命日の漁港通い 「甘酒持ってきたよ」
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 「ミネ子、聞こえるか。大好きな甘酒、持ってきたよ」。釜石市箱崎町の仮設住宅で暮らす海藤エツさん(77)は11日、今も冷たい海のどこかに眠っているとみられる一人娘のミネ子さん=当時(60)=を思って、温かい飲み物を海にささげた。毎月、月命日に漁港へ通い続けて間もなく2年。「せめて爪1枚でも上がってほしい」と、変わらぬ思いを胸に、海へ向かう。
 エツさんが震災直後の4月から毎月、漁港に通い始めてもうすぐ2年。日に日に、ミネ子さんの遺体はもう見つからないかもしれないという気持ちが強くなる。
 それでも「骨のかけら、爪の1枚でもいいから上がってほしい」という思いを捨てきれず、11日には自然と足が漁港へ向かう。「供養のためにもここにいたい。いつまで続けられるか分からないけど、手が動くうち、足が動くうちは続けたい」。いつか見つかる日まで、娘の眠る海へ向かうつもりだ。


【写真=海に向かって行方不明の長女ミネ子さんの名前を呼び続ける海藤エツさん=11日、釜石市・白浜漁港】

なぜ記者会見に出席したのは委員長だけだったのか大川小検証委・初会合で抱いた真相解明への懸念2

2013-02-14 18:24:14 | 日記
ダイヤモンド社より転載
岩手県と宮城県の明暗を分けたのは? 「学校は安心」という事前対策の問題点
 さて、当日の「空白の51分」の行動を解明するにあたって、検証の対象となる大きなテーマの1つが「事前対策」だ。
 かつて宮城県の津波防災計画に関わってきた、津波工学の第一人者である首藤委員は、こう発言する。
「1960年を境に日本人の自然災害に対する考え方が変わった。国民所得が上がって堤防ができてから、大丈夫じゃないか、とだんだん変わった。しかし、学校の管理状況の県教育委員会、県、国などの関わりを見ると、宮城県と岩手県の差があまりに大きすぎる。岩手県でも実は17~8年前、“津波対策なんてしなくていい” “防潮堤があるから何もしなくていい”と県の防災担当課長が公言していた。その岩手県がどういういきさつで防災教育を組み込んでいって、学校にいた生徒が100%助かったのはなぜか。調べてもらえると将来につながる」
 震災前、大川小学校や学校周辺の集落は、宮城県の津波浸水ハザードマップの対象から外れていただけでなく、学校そのものが地域の「指定避難場所」になっていた。
 三十数年、宮城の教員養成に関わり、震災後、6度にわたって学校を訪問したという数見委員は、「51分間、教職員にためらいがあった背景にある要因は何なのか」に注目する。
「こういう立地に、なぜ2階建ての学校が建っていたのか。海辺の近くは小さい学校が多く、2階建てになる。行政の問題も絡んでいる。どうして裏山に避難できなかったのか。指定避難場所の問題も大きい。安心しちゃうと思う。ハザードマップに意義もあるのでしょうが、どういう形で市民に下りてくるのか。安心になって伝わったという性質や(ハザードマップの)限界も検証しなければいけない」
 佐藤健宗委員は「教師の集団として当日、一部の情報を持ちながら、機敏な意思決定をして、1人でも多くの児童を救うには何が必要か?」という事故調査の発想から作ったメモを配布。<事前の災害情報・対策><学校内の体制><津波被害の正確な把握><当日の避難行動>など、これまであまり議論されていなかった点を列挙した。
 前日、国交省の被害者支援の懇談会に出席し、「被害者がいちばん必要なのは情報」という話を披露したのは、美谷島委員。
「情報収集するのに国任せになってはいけない。今回、私たち市民は、事前にどんな情報が得られたのか。あの日、広報車や地域の方々がいろいろな情報を出していたのに、効率的に使えなかった」
 ハザードマップの存在も、学校にいれば安心だからという阻害要因になったのでは、と美谷島委員は言う。
「きちんとした情報を流してもらわなければ、自分の身も子どもたちの命も守ることができない」

 安全であることが、人々の安心にどうつながるかを研究してきたという大橋調査委員は、震災前、信頼があれば、安心を感じられると理解していたという。
「震災後の津波や原発(事故)を考えると、安心していたものが危険だった。安心しなかった人たちは安全だった。安心しないことの結果として安全があった。根底から覆された。大事なのは、(学校が)指定避難所だったから安心していたわけだが、そのとき、どういう状況に学校が遭ったのかを正確に把握すること。想定外の津波だったから仕方ないという理解は間違ってる。平時と同様の思考力、判断力があって然るべきだというのも適切でない。どんな心理的な状態だったのか。できるだけ推測していく。他と比較する中で、そのときの状況を適切に理解することが重要だ」
 数見委員によると、岩手県は過去の経験から、学校が高い場所に建てられている。しかし意外なことに、津波が襲来したにもかかわらず、ハザードマップ等で津波が来ないことになっていた学校は、岩手は約2割に対し、宮城では約6割に上るという。
「岩手は学校の防災教育がなされていた。私自身の責任も感じるところだが、教員養成の問題で、先生たちの防災意識に関して、命にかかわる教育が必須ではない。とりわけ、津波の教育は、ほとんど教員養成でなされていない。避難場所も防災マニュアルに反映されていないし、あの低地の学校が指定避難場所になっている。行政に言われて、そのまま引き受けているだけだろうと思う」
 室崎委員長によれば、米国では、そう簡単に学校を避難場所に指定しないという。しかし、日本には「公共文化」がない。
「大川小の場合、なぜ氾濫する川のそばの学校を避難所に指定するのか、疑わなければいけないのに、学校だから避難場所にしていたという画一的な捉え方をしている」
 室崎委員長は、こうしたテーマについても、人員を増やして第3のチームを作る可能性を示唆した。
検証委報告書が責任追及につながる?
その可能性を懸念する委員も
 一方で、芳賀委員は「真実は必ずしも明らかにならないかもしれない」場合がしばしばあるものの、たくさんのリスクファクターを取り除くことで、より安全性が高められる。しかし、その立場で報告書を書こうとすると、「遺族の方が(本当は何だったのかが分からないために、)事故調査委員会に批判的になる」可能性を指摘。福島原発の政府事故調の中で組織としての問題点を報告書に盛り込まなかったために議論が起きたことに触れ、こう述べた。
「人間関係や組織マネージメントの問題が明らかになっても、客観的証拠だといえるのか。あったかもしれないし、あったとしたら、それは事故のファクターの1つとなっているだろう。今後、こういうことのないように対策しないといけない、というつながりになる。そこを理解しないと、報告書を基に刑事訴追が行われたり、調書を押収したりするということになる。そういったことに、この調査委員会の活動がつながってほしくないと思っている」

 しかし、検証委員会で責任追及を求める遺族の声に対し、文科省の前川官房長は、昨年11月23日、第2回4者円卓会議後の記者会見で、委員会そのものは責任追及の場ではないものの「真相究明、事実関係を検証する中で、結果的に関係者の責任がクローズアップされることは当然あり得る。委員会が検証した結果、関係者自身が結果を踏まえて、自らの責任をどうとらえるか。また、遺族やその他の地域の方々が、関係機関の責任をどう見るかという問題は起こってくる」
 と話していた。委員たちは議論するにあたって、そうした経緯もご存じないのだろうか。この発言から真意を推測するかぎり、責任問題につながりそうな事実は取り上げたくないかのようにも受け取れる。
 そもそも、市民の税金を使い、国から委託を受けた報告書がその後、遺族たちや国民に、どのように活用されようが、委員たちには関係のない話である。
 南調査委員は、「大川小のことが30年や50年で忘れられては困る。しっかり検証することによって、日本の津波対策は、大川小とダブルイメージで皆がすぐに出てくるようにしなくてはいけない」と訴えた。
 ぜひ今後、そうした検証を期待したい。
専門家とメディアは対等だったのでは?
記者会見に委員長以外の姿はなく…
 さて、室崎委員長は冒頭、「行政と被災者と専門家とメディアの4者は対等な立場で…」と所信を表明した。
 ところが、委員会後の記者会見に出席したのは、室崎委員長1人だけ。他の委員たちは、委員会が終わると、そそくさと会場を出て行った。
 その記者会見の時間も、わずか30分弱。公開のあり方について議論していたら、それだけで本来の本質的な問題をやりとりする時間もなくなる。それぞれの委員たちに対しては、その場で直接、質問したいこともいくつかあった。
 前例のない課題に私たちが直面し、世の中が注目している公開の委員会で、付託を受けた委員たちが、これからも説明責任から逃げるような進め方を続けていくのだとしたら、我々はこのような委員会での真相解明には懸念を抱かずにはいられない。
 室崎委員長が所信で、メディアとも「対等な立場でしっかり結論を出したい」と言うのであれば、委員とメディアの対話の時間は、どのように設定しようとしているのか。
 帰りの時間などの事情もあるのだろう。しかし、次回の委員会では、十分に時間を取って、他の委員にもできる限り、会見に出席してもらいたい。
 第2回検証委員会は、3月21日(木)の午後1時から4時半の予定で行われる。
 次回は、10日に行われた検証委員会に対するご遺族への説明会の様子や、ご遺族の反応などについて報告したい。
(池上正樹)
大川小学校関係者や地域の方、一般の皆さまからのお話をお聞きしたいと思っています。情報をお持ちの方は、下記までお寄せください。
teamikegami@gmail.com(送信の際は「@」を半角の「@」に変換してお送りください)

なぜ記者会見に出席したのは委員長だけだったのか大川小検証委・初会合で抱いた真相解明への懸念

2013-02-13 17:37:42 | 日記
ダイヤモンド社より 転載
なぜ記者会見に出席したのは委員長だけだったのか
大川小検証委・初会合で抱いた真相解明への懸念
東日本大震災の津波で、多くの児童が犠牲になった石巻市大川小学校。震災からまもなく1年11ヵ月を迎える2月7日に第1回大川小学校事故検証委員会が開かれた。委員長に就任した室崎益輝氏は「行政と被災者と専門家とメディアの4者は対等な立場で協力すること」を所信として表明し、これまで検証対象外にされてきた震災時における学校関係者や市教委の「事後対応」を検証範囲に含めるなど、画期的な成果も得られた。しかし、委員会後の記者会見に出席したのは室崎委員長1人だけ。委員会が終わると、そそくさと会場を後にした他の委員たちに我々は違和感を抱かずにいられなかった。
 第1回大川小学校事故検証委員会は2月7日午後1時から、石巻グランドホテルで開かれた。
 出席した委員6人と調査委員4人は、以下の通り。
<委員>
・数見隆生 東北福祉大学総合福祉学部社会教育学科教授(67歳)
・佐藤健宗 弁護士、鉄道安全推進会議(TASK)事務局長、
      関西大学社会安全学部客員教授(54歳)
・首藤伸夫 東北大学名誉教授(78歳)
・芳賀繁 立教大学現代心理学部心理学科教授(60歳)
・美谷島邦子 8・12連絡会事務局長(66歳)
・室崎益輝 関西学院大学総合政策学部都市政策学科教授
      災害復興制度研究所長、神戸大学名誉教授(68歳)
<調査委員>
・大橋智樹 宮城学院女子大学学芸学部心理行動科学科学科長、教授(42歳)
・佐藤美砂 弁護士、公益財団法人日弁連交通事故相談センター理事、
      宮城地方最低賃金審議会公益委員(48歳)
・翠川洋 弁護士、東北大学法科大学院非常勤講師、
     公益社団法人みやぎ被害者支援センター理事(50歳)
・南哲 神戸大学名誉教授(72歳)
 また、事務局から、進行役の(株)社会安全研究所の首藤由紀所長のほか、文部科学省の前川喜平官房長、宮城県教育委員会の伊東昭代教育次長も同席した。
「遺族に寄り添う」「疑わしきは取り上げる」
室崎委員長による5点の所信表明
 まず、委員長に室崎委員が選出された。室崎委員長の所信表明は、次の5点。
1、公正中立というが、足して2で割るのは中立ではない。亡くなられた方、遺族の方の気持ちに寄り添っていくことがなくてはいけない。
2、普通は“疑わしきは罰せず”だが、(今回の検証は)“疑わしきは取り上げる”形でないといけない。誰が悪いかではなく、問題点をたくさん出すが、どう教訓として生かしていくかが大切だ。
3、委員の全員一致で決めていく原則を大切にしたい。遠慮なく発言していただいて、みんなの意見で、みんなの合意の基に正しい結論を下していきたい。
4、行政と被災者と専門家とメディアの4者は対等な立場でしっかり協力し合わなければいけない。力を合わせてしっかり結論を出していくというスタンスをとっていきたい。
5、いちばん大切なのは、真実を明らかにすること。今回は、覆すことのできない客観的データが存在しない。1つ1つの証言がとても大きな意味を持ってくる。その中で、1つの真実を組み立てていく。最終的には、次の世代につながる教訓を引き出したい。

まず評価したいのは、室崎委員長が所信表明で、亡くなった人や遺族の気持ちに寄り添いながら、「疑わしきは取り上げる」という方針を明らかにしたことだ。
 検証を求める大川小学校の児童の遺族たちは、あの日から、行政や教育委員会の壁に阻まれながら、何度も話し合いを行い、自分たちの力だけで情報収集を続けてきた。この2年近くにわたって、遺族たちが集めてきた資料や情報は、すでに膨大な量に上る。
 しかしいま、ようやく立ち上がった検証委員会は、ゼロから調べていかなければいけない。遺族の持っている情報量の域に達するまでには大変な作業が必要であり、「疑わしきは取り上げる」姿勢で調査を進めていかなければ、遺族の思いに寄り添うこともできなくなるだろう。
検証委は「公開」の約束だったのになぜ?
メディア批判、映像は一部制限の経緯
 その一方で、室崎委員長は、こんな気になる発言をした。
「公開の場はとてもいいことだが、個々にとってはプレッシャーがかかる。発言が責められたりしないかと思ってしまうと、言いたいことが言えなくなる」
 この発言の真意は、続いて行われた「情報の取り扱いについての話し合い」で明らかになった。
 当日、すでに事務局は、同委員会の「会議の公開は傍聴によるもの」であり、「傍聴者は会場が許す限り制限を設けない」とする資料を配布。口頭で「委員の議論の中で、撮影は頭撮りだけでなく、継続させるべきとの意見があった」ことも紹介された。
 しかし、芳賀委員は「うっかり固有名詞を出してしまったり、まだ調査が始まっていない段階で、発言が間違っているかもしれない」として、「録画が流れてしまうと、ユーチューブで複製がどんどん広まって、間違いでしたと後で言っても、何万人も見てしまう。議論の間の録画録音はやめていただけないか」と意見を述べた。
 すると、首藤委員がこう続けた。
「昨日、ソロモンの地震の津波が来たとき、第一報のユーチューブに日本の3.11のときの津波が出た。きちんと責任を持てる段階の情報であることをお出しになられたほうがいいと思う」
 佐藤健宗委員も、ご自身の経験から「すべての議論の過程を撮影録画されるのは窮屈で議論しにくい」と同調した。
 遺族の代表であるはずの美谷島委員も、「映像は一部切り取られて、決して遺族を守るものではない」と発言した。
 私は、映像メディアではないものの、このやりとりに少し違和感を抱いた。

大川小の報道についても、どの部分をどう伝えていくかについては、私たちメディアの側も遺族たちと真剣に向き合う中で、さんざん悩みながら、みんなで積み上げてきたものだ。
 今回の検証委員会の議論を「公開」で行うことは、遺族とのやりとりだけでなく、そもそも石巻市議会が検証委員会委託費を同市の予算で通すときに交わした条件であり、石巻市民との約束事でもある。
 2年近く経って、その“付託”を背負って委員に就いた人たちが、これまでの経緯を知る努力をすることもなく、「勝手にユーチューブに流される」などと、自らの発言が可視化されることへの不安を一方的にまくし立て、メディア側の規範のみを問題視した。
 もちろんメディア側は、これまでの市教委の説明会などでも、個人情報が出れば、当該箇所を伏せるなどの配慮をしてきたし、今後も配慮し続けていかなければいけない。
 しかし、こうした検証の議論の過程で発言が変わっていったりするのは、人間として自然なことだろう。世界も注目する公的な委員を引き受けられた以上は、委員たちの一言一句の展開に、オープンな場でリスクマネジメントが問われていくのは当然の話である。
 ある委員は「私が用意した資料も、まだ最初の段階の考えで変わっていく可能性がある。報道されることに不安。報道関係には十分注意を…」などと映像メディア批判に“便乗”した。実際には、資料は配布されたものの、公的な立場としての自覚が問われる発言だ。
 室崎委員長は、「報道関係と相互の信頼関係ができたときに許可することはできると思う。今日に関しては頭撮りだけで、報道から『こういう取り扱いします』という文書を出していただき、妥当なものだと判断したときに、許可することでどうか」と議論を引き取った。この後、委員長の指示で、カメラは退出を求められた。
 まるで三文芝居でも見せられているかのように、のっけから委員たちのメディア批判が繰り広げられるという異様な展開に唖然とさせられた。
遺族が約2年間訴えてきた
「事後対応」も検証対象に
 休憩をはさんで、「検証の方針、進め方など」についての議論に入った。
 画期的だったのは、遺族が2年近くにわたって求めてきた「事後対応」も、検証の対象に含める方針が決まったことだ。
 すでに事務局側のほうで、【要検討事項】として、
 <①サバイバル・ファクター(生存可能性に関する要因)>
 <②遺体捜索、事故に関する調査、ご遺族・保護者への説明など、関係当局として実施しなければならない各種対応>
 についても「対象とするか」。対象とする場合は「どこまで取り扱うか」という資料が用意されていた。
 事前に、事務局の社会安全研究所が、検証を求めてきたご遺族の意向を汲んで、検証に生かそうと反映させたものなのだろう。

 美谷島委員が、こう口火を切った。
「被害者ならではの視点を大切にしてほしい。ご遺族の方々がいろいろと調査なさっている部分も含めて、この場でご遺族の方のお話も聞きたいと思う。事後対応をぜひ対象に入れてほしい」
 佐藤健宗委員も、こう続けた。
「サバイバル・ファクターが重要なのは議論するまでもない。ご遺族ならではの視点、気づき、情報収集に真摯に学ぶべき。委員会の場に、ご遺族の何人かに来ていただいて、資料も提示していただきながら、しっかり聞く場を設けるべきだ」
 さらに、同委員は<事故に関する調査>についても、「米国NTSB(国家運輸安全委員会)の事故調査報告書や、英国HMRI(鉄道監督局)の鉄道事故調査報告書を見てみると、事故直後の現場保全が適切だったかどうか。生資料が散逸しているか。当事者によって証拠資料の改ざんが行われたかという点が触れられていた」ことを説明し、こう踏み込んだ。
「我々が生資料を参照できなかったことが影響あるかどうかも考えながら、事故直後の対応が徹底的な事実究明や再発防止に悪い影響があった、という結論が出るかもしれない」
 事後対応のうち、①及び、②の<事故に関する調査>の対応について、検証対象に入れるべきとの意見が出た。
 これに対し、芳賀委員は、「教育委員会による教員や児童に対する聞き取り調査への不満、問題点について、直接批判的に述べることはしなくていい」と指摘。事後対応のあり方についても、
「非常に乱暴な聞き取りが行われた可能性がある。様々な事件事故が起きたとき、今後こういうことに配慮して、できるだけ速やかに十分な配慮をもって聞き取りが行われるような仕組みや体制が必要である」
 などと、遺族の求めてきた教育委員会に対する問題究明とは別の方向性から必要性を語った。
 一方、佐藤美砂調査委員は、事後対応について「必要に応じて検討する進め方でよい」としながらも、<事故に関する調査>について、「他の機関で行った調査を、この委員会でどうこうするのはいかがかと思う。遺体捜索(の対応)も、ここでテーマにする話ではない」と懸念も示した。
 翠川調査委員は、「『いつどこでご遺体が発見されたのか?』は結果として、『どういう被害に遭ったのか』の解明につながる。事後対応も避けて通れない。全体を把握するためには避けられない」と強調した。
 こうして、震災後の学校や教育委員会の「事後対応」についても、必要に応じて検証対象に含まれる方向で合意した。

あきらめず声をあげよう

老いも若きも安心して暮らせる世の中を 最低年金月七万円 戦争する国つくりダメダメ 投票に行かなければ何も変わらない